シュガーレスなシガーロス



真の方々のように全裸にはなりませんでしたが、シガー・ロスのコンサートに行ってきました。うん、“ライヴ”でも“ギグ”でもなく、紛れもない“コンサート”でしたね。レディオヘッドから約2週間ぶりの国際フォーラム。彼らはやっぱりホールの会場で観るのが一番気持ちEと分かっていたので、追加の新木場は完全に無視。係員がすべてスーツ着用で、静謐なふいんき(←なぜか変換できない)をたたえたこの会場は、シガー・ロスにぴったりなんです。

前日の新木場の不評や、ヨンシーの喉不調(日本の空気が悪すぎるのでは…)、主要サブ・メンバーの欠席など、不安や懸念はいろいろあったものの、良かったでヴァインズ。初っぱなの“Heysátan”では日頃の疲労が溜まっていたので、瞳を閉じてアイスランドの幽玄な世界へとナイス・トリップしてしまいましたが、“Glósóli”後半の爆発的なアンサンブルで見事復活。続く“Ný batterí”イントロでの、ヨンシーの暴力的なまでにディストーションの利いたボウイング奏法(ギターをチェロとかの弓で弾くやつ)と、ステージ後方のモノクロの映像で釘付け。この時点でフジのマイブラは超えたかな。空気の読める客と読めない客の差が激しくて、メンバーもオーディエンスもしどろもどろだったけど、後半につれてぞろぞろとスタンド・アップしはじめ、“Gobbledigook”では紙吹雪も相まってオール・スタンディング&ハンド・クラップの大団円。アンコールも圧巻の一言でした。

ただ、YOU TUBEとかで海外の映像を沢山見てたから期待したのに、ホーン・セクションもストリングスもバック・コーラスも無し。というか、終始メンバー4人のみっていうのはちょっと肩すかしを喰らったなー。音響はもちろん申し分ないし、楽曲の再現度も高かったけど、不完全燃焼の感は否めない。それと、とりわけ『残響』のナンバーのリアクションが大きいということは、新譜しか聴いていない輩が多かったのでしょう。と、まあ思うところは多々ありましたが、楽しめましたよ。2005年を見逃している僕としては、次はやっぱり「森の中」で鑑賞したいもんです。むしろ、国家危機のアイスランドにいくらか募金しても構わないので、日本でも実現してください。

NSKDにwktk


クールにおいて絶対に観なければならないドラマといえば、“読了後に100%ハヤシライスを食べたくなる物語”こと『流星の絆』を置いて他にない。まず、東野圭吾×クドカンという珠玉のコンビもヤバいけど、数々の名作を産み落としてきたTBS金曜22時という時間帯がヤバい。主要人物のアリアケ兄弟がどちらもJ事務所タレントというのは腑に落ちないが、クリント・イーストウッドも認めた演技派の二宮と、『ラスト・フレンズ』のDV野郎、及川宗佑役の怪演も記憶に新しい我らがNSKDというキャスティングには否が応でも期待。戸田恵梨香もなかなかハマり役だと思うし、中島美嘉が『私立探偵 濱マイク』(死ぬほど観た)から6年振りとなる連ドラ出演というトピックも見逃せない。これは久方ぶりに傑作ドラマの臭いがしますぞ! でも、クソみたいなオリジナル・ストーリーでお茶を濁すのだけは勘弁。

というか、『CHANGE』ですら主演のキムタクの写真を一切公式HPに使わせなかったJだが、このドラマのHPでは珍しく使わせているのにビックリ。まあ、戸田ちゃんだけじゃ設定的にムリがあるからでしょうが、写真の解像度に差が(↑)ありすぎてクソワロタwww 『百夜行』も再放送してたし、未曾有の東野圭吾フィーバーですなあ。『百夜行』といえば、オンナ座頭市を観に行く無謀な輩はいらっしゃるのでしょうか?

P.S女性誌の方ではない)
中島美嘉って、“ONE SURVIVE”のころが一番可愛いですよね。
これはプロモのナマ足がネ申すぎた。


わりとNo Surprises


 ディオヘッドのジャパン・ツアー最終日、国際フォーラムのチケット難民の数はハンパじゃなかったなー。夜なべで作成したであろうお手製のプラカードの数々を俯瞰するだけで、チケット保有者の自分はなんだか偉くなった気分に(すんません)。そんな最中、ピチピチ(死語)のギャルにチケットを取ってもらっていたらしく、余裕綽々の表情で会場入りする某大御所CMディレクターの御姿(笑)。なんでもオークションでは最前列のシートが¥90,000の値段が付いたとかで、もはや前代未聞のプレミア・ライヴっぷり。チケットも無いのに、昼間っから往生際悪く有楽町を徘徊していた友人(前座終了後の急遽当日券販売という事件に、負け組から一気に大逆転。定価で10列目のシートGETという“Lucky”に見舞われやがった!)と今生の別れを果たし、いざ指定の席へ。なんと、昨年のMUSEの時とまったく同じ列でした。

前座のモードセレクター、さいたま初日よりずっと良くなってましたね。VJの完成度が相変わらず高く、既視感があるのは例の困惑モンキーぐらいで、映像のヴァリエーションがやたらと豊富。今週末のDIESELでは、貫禄すら漂うんではないでしょうか。で、レディオヘッド。さすが最終日だけあって終始リラックス・ムードで、トムさん超饒舌です。前座の彼らにも賛辞を贈っちゃいます。「これがファイナル・ショウだ」なんて思わせぶり発言もしちゃいます。ペンキの飛んだボトム(UCとヒスのコラボで、現地調達だとか)に、6日分持って来たんジャマイカとしか思えない、お馴染みの黒のフレッド・ペリー着用しちゃってます。3曲目に“Just”が来て、早速テンションがあがっちゃいます。もうツアーも終わりなので、セットリストも貼っちゃいます。

10月8日 東京国際フォーラム・ホールA

01.15step
02.Airbag
03.Just
04.All I need
05.Kid A
06.Reckner
07.Talk show host
08.In limbo
09.Weird Fishes / Arpeggi
10.The Gloaming
11.A Wolf At The Door
12.Faust arp
13.Bullet Proof...I Wish I Was
14.Jigsaw Falling Into Place
15.Optimitic
16.Nude
17.Bodysnatchers
-en.1-
18.You and whose
19.Videotape
20.Paranoid Andoroid
21.Doller And Cent
22.Everything In Its Right Place
-en.2-
23.Cymbal rush
24.There There(Go Slowlyから急遽変更)
25.Blow Out

ラストを飾った“Blow Out ”がフィルのドラミング含め凄まじくかっこよかったんですが、前日にも演奏したというのを知っていたので、個人的に一番「キターーーーーーーーッ!!!」と目薬を差したくなったのは、“A Wolf At The Door”だろうね。あと、前半に演るのが定番だから聴けないと思ってた“There There”が最後にまた聴けたのは嬉しい誤算(“Go slowly”も聴きたかったけども)。やっぱり『Hail To The Thief』が一番好きなんだろうね。“You And Whose Army?”の通称「トム・カメラ」(写真)もきもくて良かった。まあ、最終日だからって鬼のようなセトリにはならなかったわけで。少々サプライズ感には欠けるけど、最高峰の音響も相まって素晴らしかったわけで。“Planet Telex”と“Fog”と“Karma Police”と“No Surprises”を全部唯一プレイした大阪2日目がヤバすぎるわけで。というわけで、コミュのネ申から拾ってきた。


ちょwwwさいたま初日オワタ\(^o^)/
とはいっても、“15step”〜“There There”〜“The National Anthem”というスタートの興奮度は間違い無く一番だったと断言できる。と思ったら、大阪初日と一緒。やっぱりさいたま初日オワタ\(^o^)/

それにしても、今回の6公演で披露された楽曲総数およそ50曲。中堅バンドですら、アンコールまで同一セットの予定調和が大半の中、これだけのビッグなバンドがここまでやってくれるのは本当に凄いことです。「ファン思いのバンド」って、こういうことを言うのでは。今思えば、<サマソニ2003>も大阪と東京で10曲違いますからね、恐ろしすぎます。ここで、文字通り穴が空くほど読んだ、2003年の『snoozer』夏フェス増刊号で感銘を受けた、編集長のレディオヘッド記事を引用させて頂こう。

「〜〜その日にしか演奏されなかった曲がそれぞれ10曲もある。こんなことをさらりとやれるバンドが何処にいるのだろう。おそらく、誰もが『やった! あの曲が聴けた!』と小躍りし、「あの曲、聴きたかったのに!」とちょっとした不満を漏らしたに違いない。(中略)誰もが100%満足出来るはずもないし、誰かが一人だけ酷い目に会うわけでもない。それは、誰もがそれぞれの生を一度しか生きることの出来ないことは、実はとても大切なことであることに、とてもよく似ている。勝ち組と負け組? そんなものない。」

うーーん、ありがとうレディオヘッド。
ありがとう、クリエイティブマン
彼らは公共機関の整っていない場所ではライヴをやりたくないらしいので、フジロックに出ることはこのまま一生無いんだろうけど、また近々お目にかかれることを願っております。

あ、そうそう。あと、どんな些細なことでも「ありがとう」と言えないクズは氏んでください。以上。しかしまあ、「グリーンウッド」ってなんて素敵な名字なんでしょう。

百万円と苦虫女

 は、蒼井優にも宮崎あおいにも蒼井そらにも、どなたにも特別な思い入れがあるわけではありませんが、この映画のポスターで、ざっくりしたグレーのパーカを羽織った蒼井優は、むやみやたらに可愛いなあーと思っていたんです。だから、しれっと前売り券購入してたんです。というわけで、平日の夕方だというのに混雑気味の渋谷シネセゾンで鑑賞してきました。

勝ち気だけど、世間から疎外感を感じている若い女性が放浪、そして自分のことを知っている人が誰もいない土地を点々とし、そこでの出会いやドラマが主人公自身を強くしていく.....こんなロード・ムービー的展開とストーリーは、本年度エカデミー賞ワースト1位ノミネートの『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を想起させますけど、数倍、いや、数億倍はおもしろかったね。のほほんとしたスローな世界観を全面に出してくるのかと思いきや、随所に盛り込まれたユーモアと毒(ポイズン)のセンスが非常に高く、その匙加減も超絶妙。まず、旅1発目の海の家バイトで出会ったチャラい青年がヤバ過ぎる。こいつのキャラは本当に最高。彼が友達と興じたバカ話と、その後の山梨での喫茶店の店名がさりげなく繋がったことに気付いた人は、一体何人いるんでしょうか。

まあ、タナダユキ監督の真意は知る由もないけど、この映画の一番のポイントは「どこまでも果てしない曖昧さ」と、「姉弟の対比」なんじゃないでしょーかね。蒼井優演じる主人公の名前は「佐藤鈴子」で、佐藤なんだか鈴木なんだか混同しそうだし、トレードマークのパーカは黒と白の中間にあたる「グレー」ですからね。しかも、スペアまで持っているのには笑ってしまった。手紙をしたためるだけで、ラストまで一切会話すら交わしていなかったはずの弟くん(いじめられっ子)とシンクロし、最終的に姉貴と立場が逆転してしまうかのような構図は、約2時間の内に蓄積された観客のジレンマが一気に報われる、至高のカタルシスの瞬間だと言えるでしょう。うーん、素晴らしい。最後の街となる地方都市が、ちゃっかり僕が運転免許更新などでお世話になっている、埼玉県鴻巣市というのも素晴らしい。

主題歌はクラムボンの原田さんだし、挿入歌で赤犬が流れたりするし、フジロッカーなみなさんは絶対に好きになるだろう映画だと思います。東京ではほとんどの劇場が上映終了してしまっているので、急げー。

飯島愛とEMI


 
 マソニお疲れっしたー。僕はTOKYO2日目、アリシア・キーズから<マリン・ステージ>のアリーナに入ろうと歩いていたらあの飯島愛を発見。なんでも、会場には加藤鷹センセイの姿もあったようで、これは是非お笑いステージの司会だったイジリー岡田も呼んで、18禁の「ギルガメッシュ・ステージ」をやってほしかったもんだ。間違い無くベスト・アクトになってたであろう予感がビンビン(性的な意味で)だぜ。というわけで、音速でざっくりレポ。

■TOKYO 8.9sat■

THE METROS
演奏うんぬんよりも、あの不遜な態度とVo.の眼光がたまらんね

LOS CAMPESINOS!(メッセ内部のマリン中継スクリーンで)
相変わらず楽しそう。ヴァイオリンの娘かわいすぎ。

THESE NEW PURITANS
「ライブ・バンド」とは呼べないけど、“ELVIS”最高。

Perfume
超満員でステージに入れてもないのに、飢餓感の膨れ上がったバカどものせいで将棋倒しに巻き込まれて死にかける。プレミア感はあるけど、主催者が確実にステージ選択を間違えたよな。期待していたのっちの美脚も拝めず、“チョコレイト・ディスコ”の後のやたら長いMCに見切りをつけてソニックへ避難。

BLOOD RED SHOES
実はもう3回目。さすがにちょっと食傷気味だわ。

YELLE
これは盲点、超大当たり。ルックスもパフォーマンスも完璧で、肝心の楽曲もフランス語だったりするのに激キャッチーで思わず身体が動いてしまう。帰宅後に覗いた某掲示板でも絶賛の嵐で、さっきHMV行ったらCD完売していて買えませんでした...。本年度ベスト・ニューカマーに決定。

BAND OF HORSES
土臭い骨太ロックで、KOLを1stのテイストのまんま進化させなかったかのような男らしさが好印象。

THE SUBWAYSスクリーン)
いきなり“Oh Yeah”合唱させようとして滑ってる(泣)。紅一点シャーロットもかつてのキュートさは失われ、このバンド自体も見限ることに。

SANTOGOLD
直立不動のパントマイム的なステージングとか面白いんだけど、如何せん前出のイェールが良過ぎた所為か、あんましグッと来ない。

CAJUN DANSE PARTY
前半は曲調がスロー過ぎて退屈。Vo.カッコつけすぎ。後半のヒット曲連発で持ち直すも、やや不完全燃焼。ただ、ダニエル君の声量と、ベッキーちゃんのパイオツ(推定Jカップ)と、何よりギタリストのセンスとテクニックには脱帽。あいつのソロ・アルバムだったら買ってもいいぞ。

TRIVIUM
暴れん坊“将軍”メタルでした。フロントマンは日系かな?

THE KILLS
まさかのドタキャン。大阪ではフツーに登場したらしいので、機材トラブルは120%ウソだね。ホテルが謝罪に出て来なかったのもおかしいし。どーせヒスの北村さんとかと青山のル・バロンかレッド・シューズで酔い潰れてたんだろ。と思ってたらホントにそうっぽい。プロ失格。

(もらってきた)

DEATH CAB FOR CUTIE
ごめんなさい。意外にも予習の金が回らなくて全然曲知らないんです。でも、超良質なUSインディーであることは理解できた。単独までには勉強します。

THE VERVE
アデルはキャンセルだし、もうフレンドリー・ファイアーズも捨てて早めにマリンのアリーナまで駆け込む。結果、超・最高。単なる懐メロ大会になど終わらず、リチャード・アシュクロフトの挑発的なパフォーマンスとカリスマ性に、オーディエンスもぐいぐい引っ張られる。演奏で圧倒されるようなことは無かったけど、段々と日が落ちて行く絶妙なシチュエーションといい、見事なライティングといい、次々飛び出す名曲群といい、文句無しの初日ベスト・アクト。“Bitter Sweet Symphony”じゃなくて新曲で締めるところも未来を向いてて好感。もう“The Drugs Don't Work”のやり直しですら格好良かったよ。

THE PRODIGY
1曲だけ。ステージ・セットすげー。客入りガラガラだったけど後半はどうだったんだろ?

SEX PISTOLS
超大入り。ま、どうせ一見さんが大半でしょうが。ちょうど“God Save The Queen”をやり始めたのには漲ったが、後日の単独(爆)に取っておく。

PAUL WELLER
きっとファンにはたまらないんだろうけど、予備知識ほぼゼロにはつらい。

PENDULUM
もうダサすぎて大爆笑。客入りも微妙だったのでかなり前の方で観たんだけど、このバンドは色んな意味ですごい。NINからダークな要素をすべて排除して、SFとハリウッド映画とジャパニメーションとシューティング・ゲームとヘビメタと小室ファミリー的要素をすべてごちゃ混ぜにしたような、触れ込みのドラムンベースを軽く超越した人力トランス。意外とメンバーみんな歳いってそうで、超屈強な筋肉を保持してます。同郷オーストラリアのミッドナイト・ジャガーノーツが文系出身だとしたら、ペンデュラムは完全に体育界系出身。おそらく、今は無き六本木ベルファーレで、小悪魔アゲハギャルとメンナク伊達ワルばっかり集めてギグをやらせたら、死人が出るくらい盛り上がると思う。プロディジーの初来日もベルファーレだったっていうしね。

深夜のペズモクは気になったけど、終電間に合わないので諦めて帰宅。

□TOKYO 8.10sun□

SILVERSUN PICKUPS
演奏と紅一点の存在は悪くないけど、フロントマンの声がきつい。無理。

MEG
ダフトパンクみたいなダンサーを引き連れて登場した時点で、何だか観ているのが恥ずかしくなって即退場。

THE TING TINGS
最高。アー写だとやたらケバいケイティ嬢もかわいいし、演奏も必要とする音だけがちゃんと鳴ってて素晴らしい。マウンテン・ステージをかなり埋めていたけど、iPodのCM(笑)起用だけで注目したファンでさえも、確実に虜にしたであろう圧巻のパフォーマンスでしたが、泣く泣く移動。

MGMT
悪くないけど、ちょっと期待しすぎたかなー。ただ、終盤の“Time To Pretend”〜“Kids”はさすがにクソ盛り上がった。グラストの映像でも思ったけど、ギタリストがとにかく暴れ過ぎ。

LATE OF THE PIER
ちょうど“Focker”聴けてホクホク。アルバム買おーっと。

MUTEMATH
各方面で評判のようだが、正直よくわからん。

POLYSICS
いかにDEVOが好きか分かった。カヴァー演ってました。

BIFFY CLYRO
メンバー全員、上半身ハダカでした。

CRYSTAL CASTLES
ただ叫んでるだけじゃん、と言ったらオシマイか? ルックスはいいけど微妙かも。原宿アストロでの単独の方が良かったね。

JUNKIE XL
盛り上げ上手。コープレの“Talk”のリミックスとか、初登場のくせにサマソニの客層を分かってるね。

DOES IT OFFEND YOU, YEAH?
アルバム聴いときゃ良かったかなー。まあいいや。

AGAINST ME!
どーでもいいですよ。

BOOM BOOM SATELLITES
キラーチューンはほとんど後半にまとめたようで聴けず、印象が弱い。

SUPER FURRY ANIMALS
新曲含め相変わらず平均値高いですが、やはりサマソニ向きではないのかな...。最後にんじん食べたり投げたりしてました。

ALICIA KEYS
プロですね。もはや非の打ち所がない、徹底的に磨き上げられた究極のエンターテインメント。彼女にショウビジネスの底力を垣間見ましたよ。歌もピアノもバック・バンドも完璧だし、何より終盤の黒人男性コーラスとの掛け合いには全身鳥肌立ちまくり。日本人じゃ一生彼らのレベルに追い付けないような気がします。それに、単純に「画(え)」になるしね。ラストの“No One”大合唱も今年のサマソニのハイライトのひとつ。マドンナ、セリーヌ、ホイットニー、アヴリルの次に日本のドームを制圧するのは彼女に他ならないでしょう。これだけで充分チケット代のモトは取れた。当然、2日目ベスト・アクト。

COLD PLAY
各地で賛否両論のライブですが、正直、結構楽しめました。たまにはこんなベタベタの芸能ライブもいいもんだなと。話題の“世界に一つだけの花”カヴァーの件にはあえて触れませんが、Lブロックのアリーナにいたら、すぐ後ろのお立ち台で突如アコースティック・セットを繰り広げた時はさすがにアガったし、こんなにマリン・ステージがびっしり埋まっているのを自分の目で見たのは、’05のオアシス以来だったのもあって。去年の大トリのアークティックが「トリですが何か?」と言わんばかりのそっけないパフォーマンスだった所為か、その前に登場したカサビアンが絶賛されていましたけど、そういうことなんですよね。熱心な洋楽リスナーなんてまだまだマイノリティーだし、夏フェスの締めくくりは、分かりやすくて誰もが知ってるアンセムで大合唱したい人が多いわけですよ。そういう点で、コールドプレイほど打ってつけの存在はいなかったのかも。
 それにしても、ホント新作の楽曲はちゃんと演奏してるのか不明なぐらいイーノの打ち込みしか使ってないよな。まあ、クリス・マーティンの一切驕らない過剰なサービス精神とおバカっぷりには笑わせてもらったよ。ステージにちょこんと置かれた古いテレビに、例のドラクロワのバック・フラッグ。レーザー光線や紙吹雪、そしてまさかのアリシア・キーズ飛び入りと、フェスならではの豪華な演出には呆れつつも、アンコール無しでも大半のオーディエンスを満足させたであろう予定調和のライブは、世界一商業的に成功を果たしているバンドなのに腰が低い、コールドプレイの「いいひと」らしさが全面に露呈されたもので、ぶっちゃけ、クリスのプロピア疑惑含めちょっと好きになったわ。ボン・ジョヴィ目指して頑張ってください。


(この距離は大金投じても二度と無いかも)

最後のお楽しみ、恒例の連発花火にどよめいて、大団円。MCのサッシャがやたらと「来年は10周年ですよー」を誇張していたので、何かありそう。初の3日間開催もまことしやかに囁かれているし。というわけで、サマソニ’08終了。

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P.S.S.P.
 ビーチ・ステージのアデル&アルバートのキャンセルによって、まったく意味の無くなったピストルズの単独ライブも行って来ました。ジョニー・ロットンはユニオンジャックのトランクスを履いていて、途中オーディエンスに生ケツを晒していたりして、まるでクレヨンしんちゃんのようでした。自分は“アナーキー”と“女王陛下万歳”と“EMI“”以外は冷静に観ていたけど、老若男女が混在した客層も、相当盛り上がっていましたよ。シドを除外すれば、完全なるオリジナル・メンバーだったしね。あんなに多くのカンやペットボトルや人間が飛び交う光景を見たのは初めてだったし、上下スーツでブリーフ・ケースを持ったままダイヴしていたサラリーマンには死ぬほどワロタ。スタジオ・コーストのVIP席には、アンダーカバー高橋さんとか大貫憲章さんらしき人物も発見。15年以上ファンだった美容師の友人も相当楽しめたようだし、日本ではこれで見納めってことで。いやー1週間で京葉線3回はやりすぎたね。お疲れ様でした、自分。

凛とした苗場


っと、サマソニの前に、今さらですがフジロックの総括を.....。

■総合ベストアクトで賞

ベン・フォールズ(ラストの嵐含め素晴らしいの一言)

■各日ベストで賞

(金)ヴァインズ(来てくれただけでネ申)
(土)ゴティエかズートンズか時
(日)ベンちゃん以外だと、湯川さん@木道亭

■ベスト・トラックで賞

・ヴァインズ全部
・TRAVISの“雨唄”
・INO hidefumiの“Spartacus”
・凛として時雨の“Telecastic fake show”
・ズートンズの“Valerie”(本家本元!)
・プライマルの“ローデッド”
・ベンちゃんの“Philosophy”
・CSSの“Move”

■ベストフードで賞

やっぱり今年も「五平餅」の、のり醤油¥350

■ベストドリンクで賞

スミノフ好きとしては、公式スポンサーになってて良かった。

■思わぬ儲けものだったで賞

土曜UNDERWORLDを捨てて観たSPARKS(あとでようつべ見まくる)
あと、前夜祭ゲストのブラフマンは嬉しかった。

■ベスト巨乳で賞

もちろん、ゴシップのベス。

■イマイチだったで賞

カサビアンはトム本人もしっくり来てない顔してたなー。
でも、あのミディアム・ヘアーと黒シャツ&ベストは真似したい。
いや、でも紫のボトムは無理だな
あと、トリッキー本人がさぼり過ぎなのと、バックバンドが微妙でした。

■ものたりなかったで賞

CSSせっかく最前取ったしレッド大トリだったのに、アンコールなしとは。

■ベストドレッサーで賞

ジェイミー・リデル(黒シャツ&パジャマ風ストライプのパンツに革靴と黒縁メガネ。髭は剃らないほうがいいかも)。

■溜め息が出るほどグッドルッキングで賞(メンズ篇)

カサビのサージと、ヴァインズのクレイグとプライマルのボビーとゴティエ。
あ、あと、アフリカエモのa2take

■溜め息が出るほどグッドルッキングで賞(ガールズ篇)

もちろんアビちゃん(;´Д`)ハアハア
マイブラのビリンダも異様に麗しかったです。Tシャツださいけど
あと、ロドリゴの女の人も地味にキレイですね。

■最大集客力で賞(数ではなく状況で)

間違い無くオールナイト・フジの電気グルーヴ。
ただでさえあのオレンジに1万人近くいるのに、ホワイトあたりまで入れない人たちで長蛇の列。ちょうどオートキャンプに戻ってたんで、“モノノケダンス”と“N.O.”は聴けました。てか、ここだけ金かけすぎwww

■プライベート目撃で賞

1.バースデイのイマイさん
2.ミッドナイト・ジャガーノーツ(友達いなすぎ)
3.FANCYのアフロ(高速のICでも見た)
4.マーク・スチュワート
5.ケイト・ナッシュ
6.クリブスのライアン
7.ゴティエ
8.岩盤DJでCSS(ハナエちゃんの私服萌え)
9.バック・ドロップ・ボムの面
10.THE SUZANのメンバー

・・・and more

■なめてるやつでしょう

アフリカエモに乱入→正式加入した横着フォーリナー(笑)-150点

■とうどうグループとくべつしょ

プライマルのマニ(3日連続おつかれ!)250点

 今年もほとんど濡れずに終わるかなーと思ったら、最後の最後フォールズ→ベン・フォールズで苗場がついに本気を出したお陰で泥だらけ。レレレファンも涙目。あれが3日間続いたと思うと地獄だったんでしょうね、03年と05年

まあ、久々の再会があったり、マイミクさんが出演したり、オートキャンプに当選したりで、3年目にしてやっと、フジを余すことなく楽しめたかなーと思います。いくつか奇跡も起きまくったし...。

・オートキャンプのリストバンドのおかげで、前夜祭マイブラのリハを間近で鑑賞
・金曜TRAVISだけ雨(どういう意味かわかりますよね)
・ヴァインズがちゃんと来日したこと
・土曜の深夜オアシスで、あのマーク・スチュワートと写真撮影成功。おっさんノリノリで、「お前ゲイだろ?」って言われますたorz やらざるか
・さらにその後、ケイト・ナッシュ&クリブスのライアン君アベックが手を繋いで徘徊しているのを目撃。あんなシーン、本国UKでもお目にかかれないよ。
・例の豪雨のあと、ブリーダーズを観てたら空に虹が架かっていたこと。これでレディへが出てたら、ホントの「イン・レインボウズ」だったのにね。
・予想通りだが、プライマルにハナエちゃんが飛び入り。

 で、結論。ナンダカンダすんげー楽しかったっす。
毎年思うが、前夜祭終わってから帰宅までが一瞬すぎて泣けます。
あと、やっぱり出番終わってすぐ大阪<->東京に移動したりしなきゃいけない
サマソニとかと違って、アーティスト自身もお客さんとして楽しんでいる光景が見られるのは本当に素晴らしいし、こちらも嬉しくなりますね。カール・ハイドもお子さんと一緒に満喫していたようで

というわけで、会場でお会いしたみなさん、おつかれ&ありがとうございました。1日券だけだった人は、来年はスケジュール調整がんばってください。
僕はお金と時間の都合付いたら、本気で海外フェス狙ってます。

腕あち...

 、「べつに...」と、「うぜー」の3つの台詞だけがすべてを物語る、『ヤング・ジャンプ』に連載中のクライミング漫画『孤高の人』が面白すぐる。なにしろ某掲示板でも、

「絵はネ申!」
「絵うま杉」
「作画やべー」
「この絵師ほんとうまいな」
「原作にさえ恵まれていれば...」
「うまい、うますぎる」
「見開きで鳥肌たった」
「山に吸い込まれそうだ」
「全俺が泣いた」
「頭が真っ白になって...」

と絶賛の嵐で、こと画力に関しては微妙にキャラの首が長いという点以外は非の打ち所がなく、現在マンガ雑誌に連載している数多の作品においても、その実力は折り紙付きのトップレベル。ただ、初回のつかみこそバッチリだったものの、途中で原作者が交代してしまったり、プロのアルピニストを冒瀆するような無知な描写をしてしまったり、張り巡らせすぎた伏線をほとんど回収できずにストーリーはグダグダだったり、輪をかけるように掲載位置はほぼ毎週後半と人気も芳しくなく、連載打ち切りも時間の問題と言われていた。が、ここにきて主要人物のキャラクターやポジションが、文字通り山岳の天気のごとく急変し、ネ申展開に突入。掲示板ともども、ストーリーが再び活況を呈しているのです。

そもそもこの漫画の凄いところは、主人公である孤独大好きネクラっ子の森くんがセンスだけはあるが、オーラもカリスマ性も協調性もゼロに等しく、一切感情移入できない所にある。それを熱血教師の大西センセが執拗なまでに世話するのだが、その大西センセの最近の空回りピエロっぷりがとにかく凄まじく、その大西センセの大学時代のキャプテンであった悪徳ジャーナリスト黒沢先輩の、主役乗っ取り事件ともいえる悲痛でヒロイックな回想シーンと、リュックよりも重い背負った罪と過去がやばすぎて泣ける。もはや掲示板では必ず「黒沢さん」と“さん”付けで呼ばれることがデフォルトとなっており、

「黒沢さんこそ『孤高の人』だ!」
「黒沢さん一生付いていきます!」
「坂本キャラ歴代ナンバーワンだな」
「もう黒沢さん主人公でよくね?」
「ワタシガセカイノクロサワデス」

と、とどまることを知らない黒沢さんフィーバー。前日に食したのが焼きそばパンとパック牛乳だけだというのに、氷点下10度以下の極寒の雪山を凍っているはずのジーパンと、ダウンJKTと素手でどこまでもてっぺん目指して登っていってしまう森くんのターミネーターっぷりと、それをフル装備で追っかけていく大西センセと黒沢さんのヒューマンドラマっぷりの対比で総計10話以上にも及んだ遭難篇も、先週ついに折り返し地点に到着した様子。まさか、彼があんなことになるとは.....。

現在発売されているコミックは1巻のみで、まもなく2巻も書店に並ぶ予定(のはず)。文句無しに本年度最強の画力とストーリーで突き進む本作を、見逃す術はありません。『クライマーズ・ハイ』なんか観に行ってる場合じゃありませんよ。やべ、俺あち......。