わりとNo Surprises


 ディオヘッドのジャパン・ツアー最終日、国際フォーラムのチケット難民の数はハンパじゃなかったなー。夜なべで作成したであろうお手製のプラカードの数々を俯瞰するだけで、チケット保有者の自分はなんだか偉くなった気分に(すんません)。そんな最中、ピチピチ(死語)のギャルにチケットを取ってもらっていたらしく、余裕綽々の表情で会場入りする某大御所CMディレクターの御姿(笑)。なんでもオークションでは最前列のシートが¥90,000の値段が付いたとかで、もはや前代未聞のプレミア・ライヴっぷり。チケットも無いのに、昼間っから往生際悪く有楽町を徘徊していた友人(前座終了後の急遽当日券販売という事件に、負け組から一気に大逆転。定価で10列目のシートGETという“Lucky”に見舞われやがった!)と今生の別れを果たし、いざ指定の席へ。なんと、昨年のMUSEの時とまったく同じ列でした。

前座のモードセレクター、さいたま初日よりずっと良くなってましたね。VJの完成度が相変わらず高く、既視感があるのは例の困惑モンキーぐらいで、映像のヴァリエーションがやたらと豊富。今週末のDIESELでは、貫禄すら漂うんではないでしょうか。で、レディオヘッド。さすが最終日だけあって終始リラックス・ムードで、トムさん超饒舌です。前座の彼らにも賛辞を贈っちゃいます。「これがファイナル・ショウだ」なんて思わせぶり発言もしちゃいます。ペンキの飛んだボトム(UCとヒスのコラボで、現地調達だとか)に、6日分持って来たんジャマイカとしか思えない、お馴染みの黒のフレッド・ペリー着用しちゃってます。3曲目に“Just”が来て、早速テンションがあがっちゃいます。もうツアーも終わりなので、セットリストも貼っちゃいます。

10月8日 東京国際フォーラム・ホールA

01.15step
02.Airbag
03.Just
04.All I need
05.Kid A
06.Reckner
07.Talk show host
08.In limbo
09.Weird Fishes / Arpeggi
10.The Gloaming
11.A Wolf At The Door
12.Faust arp
13.Bullet Proof...I Wish I Was
14.Jigsaw Falling Into Place
15.Optimitic
16.Nude
17.Bodysnatchers
-en.1-
18.You and whose
19.Videotape
20.Paranoid Andoroid
21.Doller And Cent
22.Everything In Its Right Place
-en.2-
23.Cymbal rush
24.There There(Go Slowlyから急遽変更)
25.Blow Out

ラストを飾った“Blow Out ”がフィルのドラミング含め凄まじくかっこよかったんですが、前日にも演奏したというのを知っていたので、個人的に一番「キターーーーーーーーッ!!!」と目薬を差したくなったのは、“A Wolf At The Door”だろうね。あと、前半に演るのが定番だから聴けないと思ってた“There There”が最後にまた聴けたのは嬉しい誤算(“Go slowly”も聴きたかったけども)。やっぱり『Hail To The Thief』が一番好きなんだろうね。“You And Whose Army?”の通称「トム・カメラ」(写真)もきもくて良かった。まあ、最終日だからって鬼のようなセトリにはならなかったわけで。少々サプライズ感には欠けるけど、最高峰の音響も相まって素晴らしかったわけで。“Planet Telex”と“Fog”と“Karma Police”と“No Surprises”を全部唯一プレイした大阪2日目がヤバすぎるわけで。というわけで、コミュのネ申から拾ってきた。


ちょwwwさいたま初日オワタ\(^o^)/
とはいっても、“15step”〜“There There”〜“The National Anthem”というスタートの興奮度は間違い無く一番だったと断言できる。と思ったら、大阪初日と一緒。やっぱりさいたま初日オワタ\(^o^)/

それにしても、今回の6公演で披露された楽曲総数およそ50曲。中堅バンドですら、アンコールまで同一セットの予定調和が大半の中、これだけのビッグなバンドがここまでやってくれるのは本当に凄いことです。「ファン思いのバンド」って、こういうことを言うのでは。今思えば、<サマソニ2003>も大阪と東京で10曲違いますからね、恐ろしすぎます。ここで、文字通り穴が空くほど読んだ、2003年の『snoozer』夏フェス増刊号で感銘を受けた、編集長のレディオヘッド記事を引用させて頂こう。

「〜〜その日にしか演奏されなかった曲がそれぞれ10曲もある。こんなことをさらりとやれるバンドが何処にいるのだろう。おそらく、誰もが『やった! あの曲が聴けた!』と小躍りし、「あの曲、聴きたかったのに!」とちょっとした不満を漏らしたに違いない。(中略)誰もが100%満足出来るはずもないし、誰かが一人だけ酷い目に会うわけでもない。それは、誰もがそれぞれの生を一度しか生きることの出来ないことは、実はとても大切なことであることに、とてもよく似ている。勝ち組と負け組? そんなものない。」

うーーん、ありがとうレディオヘッド。
ありがとう、クリエイティブマン
彼らは公共機関の整っていない場所ではライヴをやりたくないらしいので、フジロックに出ることはこのまま一生無いんだろうけど、また近々お目にかかれることを願っております。

あ、そうそう。あと、どんな些細なことでも「ありがとう」と言えないクズは氏んでください。以上。しかしまあ、「グリーンウッド」ってなんて素敵な名字なんでしょう。

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