シュガーレスなシガーロス



真の方々のように全裸にはなりませんでしたが、シガー・ロスのコンサートに行ってきました。うん、“ライヴ”でも“ギグ”でもなく、紛れもない“コンサート”でしたね。レディオヘッドから約2週間ぶりの国際フォーラム。彼らはやっぱりホールの会場で観るのが一番気持ちEと分かっていたので、追加の新木場は完全に無視。係員がすべてスーツ着用で、静謐なふいんき(←なぜか変換できない)をたたえたこの会場は、シガー・ロスにぴったりなんです。

前日の新木場の不評や、ヨンシーの喉不調(日本の空気が悪すぎるのでは…)、主要サブ・メンバーの欠席など、不安や懸念はいろいろあったものの、良かったでヴァインズ。初っぱなの“Heysátan”では日頃の疲労が溜まっていたので、瞳を閉じてアイスランドの幽玄な世界へとナイス・トリップしてしまいましたが、“Glósóli”後半の爆発的なアンサンブルで見事復活。続く“Ný batterí”イントロでの、ヨンシーの暴力的なまでにディストーションの利いたボウイング奏法(ギターをチェロとかの弓で弾くやつ)と、ステージ後方のモノクロの映像で釘付け。この時点でフジのマイブラは超えたかな。空気の読める客と読めない客の差が激しくて、メンバーもオーディエンスもしどろもどろだったけど、後半につれてぞろぞろとスタンド・アップしはじめ、“Gobbledigook”では紙吹雪も相まってオール・スタンディング&ハンド・クラップの大団円。アンコールも圧巻の一言でした。

ただ、YOU TUBEとかで海外の映像を沢山見てたから期待したのに、ホーン・セクションもストリングスもバック・コーラスも無し。というか、終始メンバー4人のみっていうのはちょっと肩すかしを喰らったなー。音響はもちろん申し分ないし、楽曲の再現度も高かったけど、不完全燃焼の感は否めない。それと、とりわけ『残響』のナンバーのリアクションが大きいということは、新譜しか聴いていない輩が多かったのでしょう。と、まあ思うところは多々ありましたが、楽しめましたよ。2005年を見逃している僕としては、次はやっぱり「森の中」で鑑賞したいもんです。むしろ、国家危機のアイスランドにいくらか募金しても構わないので、日本でも実現してください。

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