JAZZ地獄

 年のフジロックでは、朝風呂が想像を遥かに超える行列だったために泣く泣く諦め、グリーン・ステージから聞こえてくる狂乱の宴に歯軋りすらする想いでしたが、ついにSOIL&”PIMP”SESSIONSのライブを初体験してみました。ついでに、職場から10分圏内だというのにSHIBUYA-AXも初体験。まあ、4月のリキッドルームでのジャイルスのイベントで、ピアノの丈青を中心とした派生トリオのJ.A.Mと社長の姿は拝んでいたから、まったくの初めてってわけでもないんですが。

先日リリースされたニュー・アルバム『PLANET PIMP』がメインとなるセット・リストだろうから、“Hollow”あたりからドッカーンとおっ始めるのかと踏んでいたけど、いざ蓋を開けてみれば、これまたマカロニ・ウェスタンちっくなBGMに乗って、ラーメン大好き小池さん風の丈青がのっそりとステージに表れ、流麗なピアノを奏で、それに続くようにメンバーが一人づつ登場し、自らの楽器を重ねてジャムに参加していくという、NYの路地裏かと見紛うような演出に脱帽。予想は裏切られたけど、いいね、こういうのも。

今夜もゴージャスにドレス・アップした社長のアジテーションに導かれ、ひたすら熱気を帯びて行く場内は、前半で早くも披露されたキラー・チューン“マシロケ”で最初のピークを迎える。そして、社長が余裕たっぷりのMCを聞かせた後、「Welcome to Death Jaaaaaaazzzzzzzzzzzzz!!!!!!!!!!」のシャウトに呼応するようにステージ後方から超巨大なミラーボールが降臨し、会場全体に眩いまでの光を放射する。もうここからは、有無を言わさず踊らせる怒濤のソイル劇場の幕開け。そういえば、『STUDIO VOICE』7月号にミラーボール専門の会社が紹介されていて、渋谷のWOMBとかにも設置しているような業界屈指のオーソリティーらしいんだけども、そこが僕の地元から2駅の場所なんですよね。今度会社見学行こうかしら。

 閑話休題。まあ、ソイルの何が凄いって、グラストンベリーにも出演してしまう圧倒的なセンスと演奏スキルも勿論だけど、なんといってもあの絶倫なスタミナとテンションだよね。とりわけ、音楽的要素の大部分を担うホーン・セクションの2人がヤバイ。肩で息をしながら酸素スプレーをしきりに用いつつも、楽曲のもつダイナミズムを削がぬよう、苦しい顔など一切見せずにオーディエンスを楽しませてくれる。サックスの元晴なんて見かけはデーハーだけど、間違い無くライブの度に頭の血管何本か切れてそうな超絶っぷりだし、「全身全霊のパフォーマンス」とか「音楽に命を賭ける」とは良く言ったもんだけど、本当はこういう人たちのことを言うんだろうなあ。と、思わず感動すら覚える始末。一番の謎は、エントランスに寄せられた関係者からの花の中に、ジェロの名前があったことぐらいか。

東京2DAYSの初日ながら、アンコールも2曲演ってくれたし、中盤でまさかのJ.A.Mの3人によるワンシーンもあったし、とにかく「おいしい」ライブでした。どれぐらいおいしかったかって? そうですね、違う言い方をすると、「おいしい」ということです。

映画総括2008年ゆけむり上半期篇


 







 べー、今年はペースが遅いなー。でも、確実に去年より名作が多い気もする。とりあえず、現時点までの劇場鑑賞映画をまるっと総括してみよう。

※(まだ公開中の作品もあるので、後悔しないよう注意)

■1/31『スウィーニー・トッド〜フリート街の悪魔の理髪師〜』68点
 ジョニー・デップ×ティム・バートンという定番タッグは勿論、ジョニーの歌声が存分に味わえる小気味良いミュージカル仕立て。続々と来店する客(餌食)をバッサバッサ切り裂き、からくり椅子でドサドサ落下させていくシーンには爆笑。だけど、観賞後に印象に残るのは「アイフィ〜〜ルユージョア〜〜ナ〜♪」のみなのが残念。

■2/4『ミスター・ロンリー』75点
 ハーモニー・コリン待望のカムバック作。リアルとフェイク、偶像と虚構のひずみに垣間見える人間の儚さと愚かさ。サマンサ・モートン太り過ぎ。

■3/5『アメリカン・ギャングスター』89点
 デンゼル・ワシントン扮する稀代の麻薬王と、ラッセル・クロウ扮するKY刑事がお互いの存在を認識していながら、終盤までまったく対面しないままストーリーが続くのが素晴らしい。毛皮のコートを暖炉にぶち込むシーンが白眉。

■3/27『潜水服は蝶の夢を見る』70点
 仕事にも家族にも恵まれ、勝ち組人生爆走中だったはずの男が、突如ロックドイン・シンドローム(閉じ込め症候群)という難病を患い、唯一動かせる左目の瞬きだけで意思疎通をはかったという、信じられない実話小説の映像化。しかし、脳内はクリアなので主人公ボビーの心の声は観客にのみ聞こえる。あくまでそれは健常者そのものの思考であって、下心や悪態丸出しのその声には思わず笑みが。日本では特に顕著だが、身体障害者をテーマに扱ったドラマや映画には「どう? 可哀想でしょ」と言わんばかりの、これ見よがしな低俗涙腺弛緩系が目に余る。あまつさえ、そんな障害者を利用しているだけでしかないゴミに感動を覚える輩の多い、民度の低いジャポネーゼには易々とは作れない映画。そう思うと、『ビューティフル・ライフ』における柊二(キムタク)の、車椅子に乗る杏子(常盤貴子)に対するバリアフリーなコミュニケーションは革新的だったはず。

■4/4『マイ・ブルーベリー・ナイツ』5点
 主演のノラ・ジョーンズの大根演技には目を瞑っても、人生において一切意味を持たない薄っぺらい台詞のオンパレード。こういったお洒落ちっく映画だけをホイホイ観に行って、悦に浸るようなスイーツ女とは絶対にデートしたくない。満場一致、2008年度ワースト映画確定(あ、『スシ王子』観てねえや)。愛しのキャット・パワーの経歴も汚されてしまった。

■4/14『コントロール』82点
 ジョイ・ディヴィジョンのドキュメンタリーもやってるし、最近俄に騒がしいイアン・カーティスの短い生涯を描いたモノクロ映画。キャスト自身が演奏するライヴ・シーンの迫力や、サム・ライリーの憑依っぷりも見事でなかなかの力作に。トニー・ウィルソンも似過ぎ。アニーク美人過ぎ。サマンサ・モートンやっぱり太り過ぎ。

■4/16『ノーカントリー』92点
 アカデミー賞作品賞だそうで。なんと、エンドロールまでBGMが皆無。それがシガーの操る空気銃から発せられる咆哮の恐怖を助長させてくれる。主人公ルウェリンの嫁が『トレインスポッティング』にてユアン・マクレガーとまぐわった、あのダイアン(ケリー・マクドナルド)だと観賞後に気付いて驚愕。独特の後味の悪さが、逆に作品の評価を決定的なものにしている。

■4/21『クローバーフィールド〜HAKAISHA〜』175点
 DVDで観るぐらいなら観ない方がいい、今世紀最強の終末パニックムービー。あえて無名のキャストだけを起用したことで感情移入を容易に促し(単純にギャラも安い)、良い意味で「映画っぽくない」「リアルな」映像に対して心行くまま擬似体験が可能。ただ、カメラマンのハッドが殺害される寸前の、HAKAISHAをまじまじと撮影するシーンだけは余計だったかも。まあ、そんなことは気にならなくなるほどの大傑作です。

■4/30『アイム・ノット・ゼア』31点
 劇中に「ボブ・ディラン」という名前は一切登場しない。単にディランの6つの人間的側面を、6通りのキャストが“ディランっぽく”演じているだけ。かといってそこに真新しいトピックが見出せるわけでもなく、これまた意味のない悪ノリ映画に終止してしまっている。うーん、個人的にヒース・レジャー(故人)とシャルロット・ゲンズブールの組み合わせは良いと思ったので、この2人だけにクローズ・アップした映画を撮ってもらいたかった。ますますヒースの夭逝が悔やまれます。R.I.P.

■5/14『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』99点
 アカデミー主演男優賞を獲得したダニエル・デイ=ルイスは勿論、個性豊かなキャストと、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる不協和音だらけの音楽や、静と動を巧みに使い分けたカメラワークに、圧倒的なカタルシス。賞賛すべき点を書き出せば枚挙に暇がありまへん。3時間近くの上映時間ですが、観て絶対にソンはしない。ので、明日にでも早速劇場へどうぞ。「アイ・ドリンク・ユア・ミルクシェイク!!」

■6/2『パラノイド・パーク』45点
 すべりこみセーフ。相変わらずガス・ヴァン・サント監督は「死」を目一杯膨らませて描くねー。まるでボーズ・オブ・カナダの音楽を聴いている時のような、陶酔感の漂う映像美にかけては他の追随を許さない出色の出来。でもなー、ラストも「あれっ?」って感じだし、鑑賞したことによって人生観が大きく変化するような作品ではないです。DVDで持っておきたい映画。あと、『エレファント』の時といい、『ラスト・デイズ』の時といい、ガス監督が新作発表するたんびにしゃしゃり出てくる某ファッション・ブランドがウザ過ぎます。あんなにラインナップいらないって。

 と、まあ、これだけしか鑑賞していないのにデカイ口を叩いてしまいましたが、何年かに1本あるかないかの傑作がすでに3本もあったので、今年は当たり年のような気もしますね。また年末にでも執筆しまーす。

いやあ〜映画って、本っ当にいいもんですね〜。

アンタ達もつべこべ言わずに観なさいよ!!

それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ.....。

NUMBER (N)INEだけどNo.1

 内には『ジ・インフォメーション』に次ぐニュー・アルバムをリリース予定らしい、永遠の赤丸ほっぺのベック・ハンセン様ですが、昨年の『Mac Fan』のカヴァーになるより前あたりから、「ぜってーナンバー・ナインにハマってんな」と推察していたら、どうやらホントにご心酔らしい。しかも、滅茶苦茶似合ってるもんだからたまらん。というわけで、僕の中で約8、9年振りのN(N)ブームが到来(すんません、単純で)!   ここ数年の、あまりにも分かりやすすぎて節操のない(カート・コバーン期の後にアクセル・ローズは無いわ)コレクションのテーマにうんざりし、(ジョニー・キャッシュ期とジョージ・ハリスン期の違いは、ファン以外には分からんだろ)すっかりブランドおよび恵比寿のショップとは疎遠になり、「N(N)がキッカケで『snoozer』を本格的に購読し始めた」というミーハーな動機が事実だったゆえ、他人に「N(N)好きなんだよね?」と訊かれるたびに、「別に...」と、エリカ様のごとく不遜な態度で返答し、居心地の悪さを覚えていた僕だが、今なら言える。今だから言える。

「もうナンバー・ナインしか愛せない!!」

と、なぜかクラクソンズ表紙号の『snoozer』のコピーみたいになってしまうのは仕様として、自分がかつて己のすべて(アルバイトの給料から思想まで)を捧げ、そ
の世界観とフィロソフィーを全身で享受したといっても過言ではない、宮下貴裕ことナンバー・ナインとの思い出を、無駄にシリアスでドラマティックに語ってみたい。

2000-2001A/W -REDISUN-  

 僕は、東京のショップがまだ原宿にあったころは、そのブランドの名前すら意識していなかったのだが、ナンバー・ナインの記念すべき初の東京コレクション(モデルとして伊賀大介が歩いていたりした)となったこの時期に一世を風靡した、あの幾何学的なクロス柄を初めて目にした時、あまりの美しさに息を呑んだ。当時からモノトーンを基調にした作品が目立ち、「モデルが正面を見ず、俯いたままランウェイを歩く」という強烈な違和感は、当時のファッション・シーンだけでなく、僕の心までも射抜いた。のちにジャム・ホーム・メイド製だと知ったボール型ウォレットチェーンの価格が12万円と聞いて泣く泣く諦め、竹下通りで購入した粗悪品で周囲を誤摩化したが、自分を誤摩化すことはできなか
った。世間でのN(N)の認知度と評価はじわじわと高まり、件のクロス柄をあしらったスニーカーは、都内の委託ショップ(まだヤフオクが市民権を得てなかった)で定価の5倍以上のプライスが付けられることとなった。伝説の始まりである。 ちなみに、ケータイの待ち受けは2年以上コレだった。 


2001S/S -TIME MIGRATION-  

 誰もが「あ、あのTシャツN(N)だ!」と気付くようになるほど、独特の世界とブランド・ネームが世に広まる決定打となった、もはや語り草のコレクション。恵比寿に店舗を移したのはこのシーズン前後で、コンクリートと鉄とガラスだけの無機質な内装には死ぬほど惚れた。髑髏が有名な、ご存知、散弾銃で打ち抜いたかのような穴空き(アナーキー)Tシャツは、モノトーン×神話的・音楽的なモチーフのプリントも然ることながら、生産ラインでウォッシュを施し、古着のようにくすんだ色合いと風合いを表現した革新さも相俟って、全国的に大ブレイク。定価1万円のTシャツが入荷と同時に即完売し、キムタクが着用した「MILK&COOKIES」プリントのTシャツに至っては、委託ショップではジャケットも買えそうな5万円まで値がつり上がった。また、中国系の雇われバイヤーが入荷日に長蛇の列をつくり、強引に買い占めていってしまうという事態が社会問題にまで発展。これには宮下氏だけでなく、高橋盾など多くのデザイナーが頭を抱えることとなった。地方のセレクト・ショップには若干の在庫が残るものの、「N(N)だけ通販一切禁止」という暗黙のルールがあったために、東京のファンの飢餓感はもはや沸点に達していた。噂では、この頃の恵比寿店の1日の平均売り上げ額は、500万円を超えていたらしい....。

 多くの芸能人やミュージシャンがブラウン管の中で、これ見よがしにN(N)のTシャツを着用するようになったのは、この時期からだったと言っても過言ではないだろう(基本的にリースは厳選されるので、みな私物なのだが)。ワンギャルが着てたのはまだしも、コロッケがクロム・ハーツのアクセとエイプの迷彩ジャケットに合わせていたのは勘弁ならなかった。しかし、アンダーカバーやコズミック・ワンダーや(W)TAPS)などと絡め、巧みなコーディネートを見せてくれていたPuffyのお二人はまさに当時の僕のファッション・リーダーで、毎週水曜日に放送されていた『パパパパパフィー』は必ずビデオに録画していた(亜美ちゃんと付き合い出したGL●YのT●RUの私服が、明らかに裏原系にシフトしたのには笑った)。残念ながら、僕がオフィシャルで購入に成功した商品は、ステッカーやトートバッグなどの情けない小物ばかりで、ファッキン委託屋の設定した法外なプライスに抗う術は無かったのであった。この背徳の社会現象の勢いは留まることを知らず、宮下氏の心と体を無惨なまでに疲弊させたようだが、皮肉にもそれは、2ndアルバム『ネヴァーマインド』の世界的なブレイクによって、不本意ながら稀代のロック・スターとして祭り上げられ、神格化されてしまったカート・コバーンの姿と重なるのだ。


つづく(疲れたので)

立ち読みGメン

 ういい加減に我慢ならないので、ブログのネタにしてやる。

僕が仕事帰りに必ず立ち寄る近所のセブン・イレブンがありまして、月曜はおもに『ヤング・マ●ジン』を、木曜はおもに『ヤング・ジャ●プ』を立ち読みするためにぷらっと立ち寄るのまではいいんですが、お目当ての雑誌を手に取り開いたのも束の間、左方面から鼻腔をつんざく強烈なスメルがするわけですよ。その発信源を確認すると、ほぼ毎回同一人物のホームレス風のオサーンが鼻息荒くエロ本を見てるんですね。その遭遇確率は、たとえば原宿のファーストフード店で中国人スタッフに対応される可能性に匹敵するほど高い。

その悪臭といったらもう、牛乳と生ゴミを拭いた雑巾を靴下にリメイクして、3ヶ月ほど着用したかのような5次元レベルの凄まじさ。某消臭スプレーCMのにおい鑑定人のベッツィーさんが嗅いだら「Good!」どころか、「ぐう」の音も出ない。あまりのヤバさに一瞬で吐き気をもよおすので、すぐさま雑誌を戻して出入り口へと踵を返すこと数多。ここまで邪魔をされることが続くと、否応無しにある結論に達するわけです。

「コイツは立ち読み防止で店が雇ってるGメンなんじゃないか?」と。

 あ、この場合の「G」はもちろん、「GOMIのように臭い」ですよ。そう思うとすべて合点がいくし、店の思惑通り効果はテキメンなわけ。そうだ! 絶対にそうに違いない。だって、さっきもいたもん。おかげで『赤灯えれじい』の最終回ちゃんと読めなかったじゃねえか。

おれ、nanacoも活用してる優良カスタマーだっつーの!
おれ、本屋に無かった『DMC』の5巻買ってあげたっつーの!!
おれ、かあちゃんのどれいじゃないっつーの!!!

おっと、ここでまさかのジャイアニズム宣言。
それはさておき、それが事実となると、彼(ゴミの臭いの男)の報酬は一体何になるんだろう? とりあえず雑誌は読み放題でしょ。トイレもあるでしょ。廃棄弁当もらえるでしょ。ポットのお湯飲み放題でしょ.....。

とはいっても、彼(ゴミ男)の存在によって立ち読みが目的ではないお客さんも逃がしてしまうのは必然なわけで、そこのセブンの店長は実にハイリスク・ノーリターンなストラテジーを考える人なんだなあと思う。その頭脳はもはやハイリスク・ノータリン。

そこで彼(ゴミ)の本当の活躍のフィールドを思案してみたところ、バード・エア・ストライク・ハザード減少プログラム(鳥が航空機に激突するのを防止するため、あらかじめ訓練したハヤブサを使って滑走路から追い払っておくこと)のように、目には目を、鳥には鳥を、ゴミにはゴミを。ってことで、ゴミ収集車の仕事を斡旋してあげてください、お役所のみなさん。






なんか、ごみんなさい。

HAKAISHA


 題の『クローバーフィールド〜HAKAISHA〜』をやっと観ました。結論からいうと、先日の『ノーカントリー』を大きく引き離してエカデミー賞ぶっちぎり暫定1位。これはDVDなんかで鑑賞する映画ではありません。そんなのはこの映画を「観た」とは言わせませんぜ、認めませんぜ。

『ゴジラ』を筆頭とする日本の特撮怪獣ものや、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に『宇宙戦争』など、ありとあらゆるパニック・ムービーのおいしい所だけを掬い取り、それらの要素を単なるオマージュに終わらせることなく、まったく新しいエンタテインメントに昇華させたJ・J・エイブラムスに心からの拍手と賛辞を贈りたい。『グエムル』にやられた人にも激しくオススメです。でも、『LOST』観るのはめんどくさい。

いや、でもホント、冗談抜きに『キル・ビルvol.1』以来の映画館リピートをしてしまいそうな俺ガイル。およそ80分の上映時間ながら、たった10分程度しか経過してなかったかのような「精神と時の部屋」級のハラハラドキドキを味わったのは映画では久しぶりのこと。ライヴに例えるならバトルス並みの壮絶・超絶さです。独特の撮影手法のお陰で、登場人物の一部始終をドラクエ以上に擬似体験できる他、あのような事態に陥った際の人間の行動や心理だけでなく、業の深さまでもしっかりと描いており、911から学んだ経験や知識も存分に生かされています。ヒューマン・ドラマとしても最高到達点。

 また、一切の情報を開示しなかった謎の予告篇からも察することができるように、制作者はマニアやオタクが歓喜する小ネタを盛り込むのがお上手で、それこそ僕のようにリピート願望が生まれる観客が出ることは想定の範囲内なんでしょうね。ならば、まんまと引っ掛かってやりましょう。あ、余談ですが、冒頭のパーティー・シーンで流れるBGMもセンスよすぎです。キングス・オブ・レオン(しかも2曲)に始まり、ショーン・キングストン、スプーン、ブライト・アイズ、オブ・モントリオール、パーラメンツ、モービー、ブラック・キーズ、ラタタットなどなど…US好きにはこれまたタマラン選曲。

さあ、ベタ褒めするのはここまでにして、とにかくこの『クローバーフィールド』必見です。劇場で観ておかないと一生後悔することになります。何なら今夜にでも足を運んじゃってください。そういう行動力のある人が大好きです。あと、ロンゲで巨乳でインテリでツンデレの女の子も大好きです。あー、でも、なんとなく続編はつくらないでほしいな。もう制作決定しちゃったらしいですが(笑)。

RUSSSSSSSH

 は、原宿で1日に2回ぐらいストリート・スナップで声をかけられたこともあったというのに、ファッ ションに対 する情熱の天秤がすべて音楽に傾いてからというもの、すっかり昨今の洋服事情に疎くなってしまったエカ・スリマンです。そろそろ“オシャ連”からも除名さ れそうで戦々恐々としてます。

そんな僕ですが、久方ぶりに女性ファッション誌を購入してみました。オーストラリア生まれの「RUSSH」 が満を持して創刊した「ラッシュ・ジャパン」。なにしろ、創刊号は取っておいてソンしないですからね。べ、べつに付録のX-girlスペシャル・ミラーが 欲しかったからじゃないもんね!



す でに一定のファン・ベースを獲得している「デイズド&コンフーズド・ジャパン」や「ナイロン・マガジン」に比べるとカルチャー要素は薄めで、新進気鋭の若 いファッション・モデルたちの等身大のスタイルに焦点を当てた構成。各メゾンからの掲載許可がまだ降りないのかどうかは知らないが、扱ってるブランドはわ りとモードとチープの中間クラスといった塩梅。広告含め、一切日本人の写真が使われていないところ(唯一顔が出てたのはスティーブ青木くらいか?)には強 い拘りと一貫性を感じました。まあ、蛇足のエンタメ・コーナーでキャット・パワーの新作を「2作目」と書いてしまったあたりはツメが甘いですが。本国での 信頼度はどうなんだろう?

それにしても、“aggy”ことアギネス・ディーンってそんなに 可愛いか? まったくピンとこないんですが……(僕がロングヘアー命だからという指摘はさておき)。また、「ラッシュが選んだおしゃれモデル選手権!」に 登場している90人のモデルの中では、やはりirina(イリナ)がずば抜けてますね。NYのファッション・ウィークだからValentine Fillol-Cordier(ヴァレンタイン・フィロル・コーディー)さんが載っていないのが残念。



あと、表紙に抜擢されているCory Kennedy(コリー・ケネディー)ってまだ18歳なんですね。すげえ老け顔だからビックリ。でも、19ページで着ているソニック・ユースのTシャツと、125ページで着ているイアン・カーティス(ちなみに、ノム・デ・ゲールというブランドです)のTシャツ、どっちもまったく同じ物を僕も所有しているので、かなり親近感。もちろん、イアンTシャツは映画『コントロール』を鑑賞の際はここぞとばかりに着用するつもり。

 あまりにも顕著な創刊・休刊・廃刊のサイクルに、ハイ・クオリティーなフリーペーパーやウェブ・マガジンの猛威、インターネット普及およびブログの隆盛によって相次ぐ大型書店の閉店や規模縮小…。今や雑誌業界は大きな岐路に立たされており(「ケータイ小説」を念頭に置くと、文学界すらも脅かされている)、まさに弱肉強食の様相。これからは、本当に価値と中身とアイデアのある雑誌しか生き残れないでしょうね。情報の量とスピードじゃネットには到底勝ち目ないから。だからこそ、雑誌づくりの要であるエディターやライターは勿論、スタイリストやカメラマンにヘアメイク、モデルやデザイナーなど、それぞれの道の“プロ”の真価が問われる時代なんだと思います。僕なんかはすべての知識を雑誌で学んできたと言っても過言ではないし、やっぱり“紙媒体”が大好きな人間なんで、素人や個人の領域では絶対につくれない、最高のコンテンツに期待したいもんです。

ファミ通


 本のコンピューター・ゲームの栄枯盛衰を、その黎明期からずっと見守り続けてきた偉大なるゲーム雑誌「ファミ通(ファミコン通信)」が、本日発売の最新号にて、通巻1,000号を達成するという偉業を成し遂げました。なにはともあれ、おめでとうございます。

というわけで、せっかくなんで記念に購入しちゃったよね。ファミ通に限らず、ゲーム雑誌なんて買うのは一体何年振りだろうか? 実際、僕は少年時代はどちらかというと徳間書店発行の「ファミマガ(ファミリーコンピュータMagazine)」派だったので、ファミ通はほとんど立ち読みで済ませてきた記憶がある。なにしろ“攻略のファミマガ”なる異名を持つ雑誌である。巻末に掲載される裏技コーナー「ウル技(ウルテク)」も日々の楽しみで、毎号必ず1つ忍び込んでいた「ウソ技(ウソテク)」に本気でダマされ、それを吹聴した所為でクラスメートからの不信を買ったのは、子どもの頃ならではの甘酸っぱい思い出だ。

 それはさておき、久々に隅から隅までファミ通を読んでみたんだけど、情報量がホントに凄まじいのね。ゲームの新作情報やランキング、攻略法や開発者のインタビューだけにとどまらず、漫画、音楽、映画などの大衆娯楽から、果てはグラビアにコンビニのリコメンド商品まで、ともすればカオスに陥りがちな雑多なコンテンツが、読みやすく、理路整然と並べられていて、単純に“読み物”“雑誌”として面白いし、確立されている。流石というしかない。

そんな中でも特に見逃せないのが、読者投稿コーナーの「ファミ通町内会」である。ここは常に時事問題やゴシップまでを巧みに取り入れたハイレベルな笑いの坩堝なので、たかがファミコン雑誌とあなどることなかれ。剰え、それらの投稿作品に添えられた編集部のコメントが、実は一番秀逸だという点も、このコーナーが支持される所以だろう。とにかくご一読を。

 いやー、それにしても今の任天堂の勢いっていったら、スターを取ったマリオのように無敵だね。既発タイトルのランキングTOP30の7割以上が「Wii」か「ニンテンドーDS」のソフトだもの。セガの代表キャラクターであるはずのソニックまで引き込んでしまっているもの。なんでも任天堂の2007年の売上高は、創業以来から計測して過去最高の1兆6300億円だったそうですからねー。ボーナスいくら貰えるんだろ。ちなみに下図は2007年初頭に任天堂が「1兆円を目指す」と公言した後に作られた業績推移のグラフ。明らかに2007年のバーが大変なことになっているが、実際の売り上げを加味したら、バーが天井ブチ抜いちゃってますね。


と、経済的な話題にそれて、単なるファミコンNERDじゃないことをアピールすることに成功したが、小学生の時に近所の量販店でスクウェア(現スクウェア・エニックス)の超名作RPG『クロノ・トリガー』を予約し、その特典として貰える輝くトレーディング・カードを毎日眺めながら、およそ1ヶ月もの発売日をことさら殊勝に待ち続けていた、ピュアなあの気持ち(by.SHAZNA)を長いこと味わっていなくて久しい。今は娯楽も細分化されているし、自分自身、当時と違ってゲーム以外の趣味が沢山できたからしょうがないっちゃあ、しょうがないんですけどね。でも、また久々にファミコン熱が再燃しつつある今日この頃。誰か、一緒にアキバの「スーパーポテト」に行ってくれませんか? それがイヤなら、自分史上ゲームTOP3〜5だけでも教えていってください。一応、僕のはこんな感じ。

1.『ファイナル・ファンタジー V.I.』スクウェア(SFC)
2.『スーパー・マリオカート』任天堂(SFC)
3.『MOTHER2 ギーグの逆襲』任天堂(SFC)
4.『かまいたちの夜』チュンソフト(SFC)
5.『さんまの名探偵』ナムコ(FC)

うーん、惜しくも選考から漏れたのがまだまだ沢山.....。