HAKAISHA


 題の『クローバーフィールド〜HAKAISHA〜』をやっと観ました。結論からいうと、先日の『ノーカントリー』を大きく引き離してエカデミー賞ぶっちぎり暫定1位。これはDVDなんかで鑑賞する映画ではありません。そんなのはこの映画を「観た」とは言わせませんぜ、認めませんぜ。

『ゴジラ』を筆頭とする日本の特撮怪獣ものや、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に『宇宙戦争』など、ありとあらゆるパニック・ムービーのおいしい所だけを掬い取り、それらの要素を単なるオマージュに終わらせることなく、まったく新しいエンタテインメントに昇華させたJ・J・エイブラムスに心からの拍手と賛辞を贈りたい。『グエムル』にやられた人にも激しくオススメです。でも、『LOST』観るのはめんどくさい。

いや、でもホント、冗談抜きに『キル・ビルvol.1』以来の映画館リピートをしてしまいそうな俺ガイル。およそ80分の上映時間ながら、たった10分程度しか経過してなかったかのような「精神と時の部屋」級のハラハラドキドキを味わったのは映画では久しぶりのこと。ライヴに例えるならバトルス並みの壮絶・超絶さです。独特の撮影手法のお陰で、登場人物の一部始終をドラクエ以上に擬似体験できる他、あのような事態に陥った際の人間の行動や心理だけでなく、業の深さまでもしっかりと描いており、911から学んだ経験や知識も存分に生かされています。ヒューマン・ドラマとしても最高到達点。

 また、一切の情報を開示しなかった謎の予告篇からも察することができるように、制作者はマニアやオタクが歓喜する小ネタを盛り込むのがお上手で、それこそ僕のようにリピート願望が生まれる観客が出ることは想定の範囲内なんでしょうね。ならば、まんまと引っ掛かってやりましょう。あ、余談ですが、冒頭のパーティー・シーンで流れるBGMもセンスよすぎです。キングス・オブ・レオン(しかも2曲)に始まり、ショーン・キングストン、スプーン、ブライト・アイズ、オブ・モントリオール、パーラメンツ、モービー、ブラック・キーズ、ラタタットなどなど…US好きにはこれまたタマラン選曲。

さあ、ベタ褒めするのはここまでにして、とにかくこの『クローバーフィールド』必見です。劇場で観ておかないと一生後悔することになります。何なら今夜にでも足を運んじゃってください。そういう行動力のある人が大好きです。あと、ロンゲで巨乳でインテリでツンデレの女の子も大好きです。あー、でも、なんとなく続編はつくらないでほしいな。もう制作決定しちゃったらしいですが(笑)。