百万円と苦虫女

 僕は、蒼井優にも宮崎あおいにも蒼井そらにも、どなたにも特別な思い入れがあるわけではありませんが、この映画のポスターで、ざっくりしたグレーのパーカを羽織った蒼井優は、むやみやたらに可愛いなあーと思っていたんです。だから、しれっと前売り券購入してたんです。というわけで、平日の夕方だというのに混雑気味の渋谷シネセゾンで鑑賞してきました。

勝ち気だけど、世間から疎外感を感じている若い女性が放浪、そして自分のことを知っている人が誰もいない土地を点々とし、そこでの出会いやドラマが主人公自身を強くしていく.....こんなロード・ムービー的展開とストーリーは、本年度エカデミー賞ワースト1位ノミネートの『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を想起させますけど、数倍、いや、数億倍はおもしろかったね。のほほんとしたスローな世界観を全面に出してくるのかと思いきや、随所に盛り込まれたユーモアと毒(ポイズン)のセンスが非常に高く、その匙加減も超絶妙。まず、旅1発目の海の家バイトで出会ったチャラい青年がヤバ過ぎる。こいつのキャラは本当に最高。彼が友達と興じたバカ話と、その後の山梨での喫茶店の店名がさりげなく繋がったことに気付いた人は、一体何人いるんでしょうか。

まあ、タナダユキ監督の真意は知る由もないけど、この映画の一番のポイントは「どこまでも果てしない曖昧さ」と、「姉弟の対比」なんじゃないでしょーかね。蒼井優演じる主人公の名前は「佐藤鈴子」で、佐藤なんだか鈴木なんだか混同しそうだし、トレードマークのパーカは黒と白の中間にあたる「グレー」ですからね。しかも、スペアまで持っているのには笑ってしまった。手紙をしたためるだけで、ラストまで一切会話すら交わしていなかったはずの弟くん(いじめられっ子)とシンクロし、最終的に姉貴と立場が逆転してしまうかのような構図は、約2時間の内に蓄積された観客のジレンマが一気に報われる、至高のカタルシスの瞬間だと言えるでしょう。うーん、素晴らしい。最後の街となる地方都市が、ちゃっかり僕が運転免許更新などでお世話になっている、埼玉県鴻巣市というのも素晴らしい。

主題歌はクラムボンの原田さんだし、挿入歌で赤犬が流れたりするし、フジロッカーなみなさんは絶対に好きになるだろう映画だと思います。東京ではほとんどの劇場が上映終了してしまっているので、急げー。

飯島愛とEMI


 
 サマソニお疲れっしたー。僕はTOKYO2日目、アリシア・キーズから<マリン・ステージ>のアリーナに入ろうと歩いていたらあの飯島愛を発見。なんでも、会場には加藤鷹センセイの姿もあったようで、これは是非お笑いステージの司会だったイジリー岡田も呼んで、18禁の「ギルガメッシュ・ステージ」をやってほしかったもんだ。間違い無くベスト・アクトになってたであろう予感がビンビン(性的な意味で)だぜ。というわけで、音速でざっくりレポ。

■TOKYO 8.9sat■

THE METROS
演奏うんぬんよりも、あの不遜な態度とVo.の眼光がたまらんね。
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LOS CAMPESINOS!(メッセ内部のマリン中継スクリーンで)
相変わらず楽しそう。ヴァイオリンの娘かわいすぎ。
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THESE NEW PURITANS
「ライブ・バンド」とは呼べないけど、“ELVIS”最高。
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Perfume
超満員でステージに入れてもないのに、飢餓感の膨れ上がったバカどものせいで将棋倒しに巻き込まれて死にかける。プレミア感はあるけど、主催者が確実にステージ選択を間違えたよな。期待していたのっちの美脚も拝めず、“チョコレイト・ディスコ”の後のやたら長いMCに見切りをつけてソニックへ避難。
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BLOOD RED SHOES
実はもう3回目。さすがにちょっと食傷気味だわ。
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YELLE
これは盲点、超大当たり。ルックスもパフォーマンスも完璧で、肝心の楽曲もフランス語だったりするのに激キャッチーで思わず身体が動いてしまう。帰宅後に覗いた某掲示板でも絶賛の嵐で、さっきHMV行ったらCD完売していて買えませんでした...。本年度ベスト・ニューカマーに決定。
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BAND OF HORSES
土臭い骨太ロックで、KOLを1stのテイストのまんま進化させなかったかのような男らしさが好印象。
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THE SUBWAYS(スクリーン)
いきなり“Oh Yeah”合唱させようとして滑ってる(泣)。紅一点シャーロットもかつてのキュートさは失われ、このバンド自体も見限ることに。
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SANTOGOLD
直立不動のパントマイム的なステージングとか面白いんだけど、如何せん前出のイェールが良過ぎた所為か、あんましグッと来ない。
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CAJUN DANSE PARTY
前半は曲調がスロー過ぎて退屈。Vo.カッコつけすぎ。後半のヒット曲連発で持ち直すも、やや不完全燃焼。ただ、ダニエル君の声量と、ベッキーちゃんのパイオツ(推定Jカップ)と、何よりギタリストのセンスとテクニックには脱帽。あいつのソロ・アルバムだったら買ってもいいぞ。
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TRIVIUM
暴れん坊“将軍”メタルでした。フロントマンは日系かな?
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THE KILLS
まさかのドタキャン。大阪ではフツーに登場したらしいので、機材トラブルは120%ウソだね。ホテルが謝罪に出て来なかったのもおかしいし。どーせヒスの北村さんとかと青山のル・バロンかレッド・シューズで酔い潰れてたんだろ。と思ってたらホントにそうっぽい。プロ失格。

(もらってきた)
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DEATH CAB FOR CUTIE
ごめんなさい。意外にも予習の金が回らなくて全然曲知らないんです。でも、超良質なUSインディーであることは理解できた。単独までには勉強します。
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THE VERVE
アデルはキャンセルだし、もうフレンドリー・ファイアーズも捨てて早めにマリンのアリーナまで駆け込む。結果、超・最高。単なる懐メロ大会になど終わらず、リチャード・アシュクロフトの挑発的なパフォーマンスとカリスマ性に、オーディエンスもぐいぐい引っ張られる。演奏で圧倒されるようなことは無かったけど、段々と日が落ちて行く絶妙なシチュエーションといい、見事なライティングといい、次々飛び出す名曲群といい、文句無しの初日ベスト・アクト。“Bitter Sweet Symphony”じゃなくて新曲で締めるところも未来を向いてて好感。もう“The Drugs Don't Work”のやり直しですら格好良かったよ。
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THE PRODIGY
1曲だけ。ステージ・セットすげー。客入りガラガラだったけど後半はどうだったんだろ?
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SEX PISTOLS
超大入り。ま、どうせ一見さんが大半でしょうが。ちょうど“God Save The Queen”をやり始めたのには漲ったが、後日の単独(爆)に取っておく。
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PAUL WELLER
きっとファンにはたまらないんだろうけど、予備知識ほぼゼロにはつらい。
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PENDULUM
もうダサすぎて大爆笑。客入りも微妙だったのでかなり前の方で観たんだけど、このバンドは色んな意味ですごい。NINからダークな要素をすべて排除して、SFとハリウッド映画とジャパニメーションとシューティング・ゲームとヘビメタと小室ファミリー的要素をすべてごちゃ混ぜにしたような、触れ込みのドラムンベースを軽く超越した人力トランス。意外とメンバーみんな歳いってそうで、超屈強な筋肉を保持してます。同郷オーストラリアのミッドナイト・ジャガーノーツが文系出身だとしたら、ペンデュラムは完全に体育界系出身。おそらく、今は無き六本木ベルファーレで、小悪魔アゲハギャルとメンナク伊達ワルばっかり集めてギグをやらせたら、死人が出るくらい盛り上がると思う。プロディジーの初来日もベルファーレだったっていうしね。
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深夜のペズモクは気になったけど、終電間に合わないので諦めて帰宅。

□TOKYO 8.10sun□

SILVERSUN PICKUPS
演奏と紅一点の存在は悪くないけど、フロントマンの声がきつい。無理。
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MEG
ダフトパンクみたいなダンサーを引き連れて登場した時点で、何だか観ているのが恥ずかしくなって即退場。
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THE TING TINGS
最高。アー写だとやたらケバいケイティ嬢もかわいいし、演奏も必要とする音だけがちゃんと鳴ってて素晴らしい。マウンテン・ステージをかなり埋めていたけど、iPodのCM(笑)起用だけで注目したファンでさえも、確実に虜にしたであろう圧巻のパフォーマンスでしたが、泣く泣く移動。
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MGMT
悪くないけど、ちょっと期待しすぎたかなー。ただ、終盤の“Time To Pretend”〜“Kids”はさすがにクソ盛り上がった。グラストの映像でも思ったけど、ギタリストがとにかく暴れ過ぎ。
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LATE OF THE PIER
ちょうど“Focker”聴けてホクホク。アルバム買おーっと。
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MUTEMATH
各方面で評判のようだが、正直よくわからん。
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POLYSICS
いかにDEVOが好きか分かった。カヴァー演ってました。
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BIFFY CLYRO
メンバー全員、上半身ハダカでした。
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CRYSTAL CASTLES
ただ叫んでるだけじゃん、と言ったらオシマイか? ルックスはいいけど微妙かも。原宿アストロでの単独の方が良かったね。
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JUNKIE XL
盛り上げ上手。コープレの“Talk”のリミックスとか、初登場のくせにサマソニの客層を分かってるね。
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DOES IT OFFEND YOU, YEAH?
アルバム聴いときゃ良かったかなー。まあいいや。
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AGAINST ME!
どーでもいいですよ。
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BOOM BOOM SATELLITES
キラーチューンはほとんど後半にまとめたようで聴けず、印象が弱い。
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SUPER FURRY ANIMALS
新曲含め相変わらず平均値高いですが、やはりサマソニ向きではないのかな...。最後にんじん食べたり投げたりしてました。
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ALICIA KEYS
プロですね。もはや非の打ち所がない、徹底的に磨き上げられた究極のエンターテインメント。彼女にショウビジネスの底力を垣間見ましたよ。歌もピアノもバック・バンドも完璧だし、何より終盤の黒人男性コーラスとの掛け合いには全身鳥肌立ちまくり。日本人じゃ一生彼らのレベルに追い付けないような気がします。それに、単純に「画(え)」になるしね。ラストの“No One”大合唱も今年のサマソニのハイライトのひとつ。マドンナ、セリーヌ、ホイットニー、アヴリルの次に日本のドームを制圧するのは彼女に他ならないでしょう。これだけで充分チケット代のモトは取れた。当然、2日目ベスト・アクト。
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COLD PLAY
各地で賛否両論のライブですが、正直、結構楽しめました。たまにはこんなベタベタの芸能ライブもいいもんだなと。話題の“世界に一つだけの花”カヴァーの件にはあえて触れませんが、Lブロックのアリーナにいたら、すぐ後ろのお立ち台で突如アコースティック・セットを繰り広げた時はさすがにアガったし、こんなにマリン・ステージがびっしり埋まっているのを自分の目で見たのは、’05のオアシス以来だったのもあって。去年の大トリのアークティックが「トリですが何か?」と言わんばかりのそっけないパフォーマンスだった所為か、その前に登場したカサビアンが絶賛されていましたけど、そういうことなんですよね。熱心な洋楽リスナーなんてまだまだマイノリティーだし、夏フェスの締めくくりは、分かりやすくて誰もが知ってるアンセムで大合唱したい人が多いわけですよ。そういう点で、コールドプレイほど打ってつけの存在はいなかったのかも。
 それにしても、ホント新作の楽曲はちゃんと演奏してるのか不明なぐらいイーノの打ち込みしか使ってないよな。まあ、クリス・マーティンの一切驕らない過剰なサービス精神とおバカっぷりには笑わせてもらったよ。ステージにちょこんと置かれた古いテレビに、例のドラクロワのバック・フラッグ。レーザー光線や紙吹雪、そしてまさかのアリシア・キーズ飛び入りと、フェスならではの豪華な演出には呆れつつも、アンコール無しでも大半のオーディエンスを満足させたであろう予定調和のライブは、世界一商業的に成功を果たしているバンドなのに腰が低い、コールドプレイの「いいひと」らしさが全面に露呈されたもので、ぶっちゃけ、クリスのプロピア疑惑含めちょっと好きになったわ。ボン・ジョヴィ目指して頑張ってください。


(この距離は大金投じても二度と無いかも)
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最後のお楽しみ、恒例の連発花火にどよめいて、大団円。MCのサッシャがやたらと「来年は10周年ですよー」を誇張していたので、何かありそう。初の3日間開催もまことしやかに囁かれているし。というわけで、サマソニ’08終了。

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P.S.S.P.
 ビーチ・ステージのアデル&アルバートのキャンセルによって、まったく意味の無くなったピストルズの単独ライブも行って来ました。ジョニー・ロットンはユニオンジャックのトランクスを履いていて、途中オーディエンスに生ケツを晒していたりして、まるでクレヨンしんちゃんのようでした。自分は“アナーキー”と“女王陛下万歳”と“EMI“”以外は冷静に観ていたけど、老若男女が混在した客層も、相当盛り上がっていましたよ。シドを除外すれば、完全なるオリジナル・メンバーだったしね。あんなに多くのカンやペットボトルや人間が飛び交う光景を見たのは初めてだったし、上下スーツでブリーフ・ケースを持ったままダイヴしていたサラリーマンには死ぬほどワロタ。スタジオ・コーストのVIP席には、アンダーカバー高橋さんとか大貫憲章さんらしき人物も発見。15年以上ファンだった美容師の友人も相当楽しめたようだし、日本ではこれで見納めってことで。いやー1週間で京葉線3回はやりすぎたね。お疲れ様でした、自分。

凛とした苗場


おっと、サマソニの前に、今さらですがフジロックの総括を.....。

■総合ベストアクトで賞

ベン・フォールズ(ラストの嵐含め素晴らしいの一言)

■各日ベストで賞

(金)ヴァインズ(来てくれただけでネ申)
(土)ゴティエかズートンズか時雨
(日)ベンちゃん以外だと、湯川さん@木道亭

■ベスト・トラックで賞

・ヴァインズ全部
・TRAVISの“雨唄”
・INO hidefumiの“Spartacus”
・凛として時雨の“Telecastic fake show”
・ズートンズの“Valerie”(本家本元!)
・プライマルの“ローデッド”
・ベンちゃんの“Philosophy”
・CSSの“Move”

■ベストフードで賞

やっぱり今年も「五平餅」の、のり醤油¥350

■ベストドリンクで賞

スミノフ好きとしては、公式スポンサーになってて良かった。

■思わぬ儲けものだったで賞

土曜UNDERWORLDを捨てて観たSPARKS(あとでようつべ見まくる)
あと、前夜祭ゲストのブラフマンは嬉しかった。

■ベスト巨乳で賞

もちろん、ゴシップのベス。

■イマイチだったで賞

カサビアンはトム本人もしっくり来てない顔してたなー。
でも、あのミディアム・ヘアーと黒シャツ&ベストは真似したい。
いや、でも紫のボトムは無理だな。
あと、トリッキー本人がさぼり過ぎなのと、バックバンドが微妙でした。

■ものたりなかったで賞

CSSせっかく最前取ったしレッド大トリだったのに、アンコールなしとは。

■ベストドレッサーで賞

ジェイミー・リデル(黒シャツ&パジャマ風ストライプのパンツに革靴と黒縁メガネ。髭は剃らないほうがいいかも)。

■溜め息が出るほどグッドルッキングで賞(メンズ篇)

カサビのサージと、ヴァインズのクレイグとプライマルのボビーとゴティエ。
あ、あと、アフリカエモのa2take

■溜め息が出るほどグッドルッキングで賞(ガールズ篇)

もちろんアビちゃん(;´Д`)ハアハア
マイブラのビリンダも異様に麗しかったです。Tシャツださいけど。
あと、ロドリゴの女の人も地味にキレイですね。

■最大集客力で賞(数ではなく状況で)

間違い無くオールナイト・フジの電気グルーヴ。
ただでさえあのオレンジに1万人近くいるのに、ホワイトあたりまで入れない人たちで長蛇の列。ちょうどオートキャンプに戻ってたんで、“モノノケダンス”と“N.O.”は聴けました。てか、ここだけ金かけすぎwww

■プライベート目撃で賞

1.バースデイのイマイさん
2.ミッドナイト・ジャガーノーツ(友達いなすぎ)
3.FANCYのアフロ(高速のICでも見た)
4.マーク・スチュワート
5.ケイト・ナッシュ
6.クリブスのライアン
7.ゴティエ
8.岩盤DJでCSS(ハナエちゃんの私服萌え)
9.バック・ドロップ・ボムの面々
10.THE SUZANのメンバー
・
・・・and more

■なめてるやつでしょう

アフリカエモに乱入→正式加入した横着フォーリナー(笑)-150点

■とうどうグループとくべつしょう

プライマルのマニ(3日連続おつかれ!)250点

 今年もほとんど濡れずに終わるかなーと思ったら、最後の最後フォールズ→ベン・フォールズで苗場がついに本気を出したお陰で泥だらけ。レレレファンも涙目。あれが3日間続いたと思うと地獄だったんでしょうね、03年と05年。

まあ、久々の再会があったり、マイミクさんが出演したり、オートキャンプに当選したりで、3年目にしてやっと、フジを余すことなく楽しめたかなーと思います。いくつか奇跡も起きまくったし...。

・オートキャンプのリストバンドのおかげで、前夜祭マイブラのリハを間近で鑑賞
・金曜TRAVISだけ雨(どういう意味かわかりますよね)
・ヴァインズがちゃんと来日したこと
・土曜の深夜オアシスで、あのマーク・スチュワートと写真撮影成功。おっさんノリノリで、「お前ゲイだろ?」って言われますたorz やらざるか
・さらにその後、ケイト・ナッシュ&クリブスのライアン君アベックが手を繋いで徘徊しているのを目撃。あんなシーン、本国UKでもお目にかかれないよ。
・例の豪雨のあと、ブリーダーズを観てたら空に虹が架かっていたこと。これでレディへが出てたら、ホントの「イン・レインボウズ」だったのにね。
・予想通りだが、プライマルにハナエちゃんが飛び入り。

 で、結論。ナンダカンダすんげー楽しかったっす。
毎年思うが、前夜祭終わってから帰宅までが一瞬すぎて泣けます。
あと、やっぱり出番終わってすぐ大阪<->東京に移動したりしなきゃいけない
サマソニとかと違って、アーティスト自身もお客さんとして楽しんでいる光景が見られるのは本当に素晴らしいし、こちらも嬉しくなりますね。カール・ハイドもお子さんと一緒に満喫していたようで。

というわけで、会場でお会いしたみなさん、おつかれ&ありがとうございました。1日券だけだった人は、来年はスケジュール調整がんばってください。
僕はお金と時間の都合付いたら、本気で海外フェス狙ってます。

腕あち...

 と、「べつに...」と、「うぜー」の3つの台詞だけがすべてを物語る、『ヤング・ジャンプ』に連載中のクライミング漫画『孤高の人』が面白すぐる。なにしろ某掲示板でも、

「絵はネ申!」
「絵うま杉」
「作画やべー」
「この絵師ほんとうまいな」
「原作にさえ恵まれていれば...」
「うまい、うますぎる」
「見開きで鳥肌たった」
「山に吸い込まれそうだ」
「全俺が泣いた」
「頭が真っ白になって...」

と絶賛の嵐で、こと画力に関しては微妙にキャラの首が長いという点以外は非の打ち所がなく、現在マンガ雑誌に連載している数多の作品においても、その実力は折り紙付きのトップレベル。ただ、初回のつかみこそバッチリだったものの、途中で原作者が交代してしまったり、プロのアルピニストを冒瀆するような無知な描写をしてしまったり、張り巡らせすぎた伏線をほとんど回収できずにストーリーはグダグダだったり、輪をかけるように掲載位置はほぼ毎週後半と人気も芳しくなく、連載打ち切りも時間の問題と言われていた。が、ここにきて主要人物のキャラクターやポジションが、文字通り山岳の天気のごとく急変し、ネ申展開に突入。掲示板ともども、ストーリーが再び活況を呈しているのです。

そもそもこの漫画の凄いところは、主人公である孤独大好きネクラっ子の森くんがセンスだけはあるが、オーラもカリスマ性も協調性もゼロに等しく、一切感情移入できない所にある。それを熱血教師の大西センセが執拗なまでに世話するのだが、その大西センセの最近の空回りピエロっぷりがとにかく凄まじく、その大西センセの大学時代のキャプテンであった悪徳ジャーナリスト黒沢先輩の、主役乗っ取り事件ともいえる悲痛でヒロイックな回想シーンと、リュックよりも重い背負った罪と過去がやばすぎて泣ける。もはや掲示板では必ず「黒沢さん」と“さん”付けで呼ばれることがデフォルトとなっており、

「黒沢さんこそ『孤高の人』だ!」
「黒沢さん一生付いていきます!」
「坂本キャラ歴代ナンバーワンだな」
「もう黒沢さん主人公でよくね?」
「ワタシガセカイノクロサワデス」

と、とどまることを知らない黒沢さんフィーバー。前日に食したのが焼きそばパンとパック牛乳だけだというのに、氷点下10度以下の極寒の雪山を凍っているはずのジーパンと、ダウンJKTと素手でどこまでもてっぺん目指して登っていってしまう森くんのターミネーターっぷりと、それをフル装備で追っかけていく大西センセと黒沢さんのヒューマンドラマっぷりの対比で総計10話以上にも及んだ遭難篇も、先週ついに折り返し地点に到着した様子。まさか、彼があんなことになるとは.....。

現在発売されているコミックは1巻のみで、まもなく2巻も書店に並ぶ予定(のはず)。文句無しに本年度最強の画力とストーリーで突き進む本作を、見逃す術はありません。『クライマーズ・ハイ』なんか観に行ってる場合じゃありませんよ。やべ、俺あち......。

JAZZ地獄

 昨年のフジロックでは、朝風呂が想像を遥かに超える行列だったために泣く泣く諦め、グリーン・ステージから聞こえてくる狂乱の宴に歯軋りすらする想いでしたが、ついにSOIL&”PIMP”SESSIONSのライブを初体験してみました。ついでに、職場から10分圏内だというのにSHIBUYA-AXも初体験。まあ、4月のリキッドルームでのジャイルスのイベントで、ピアノの丈青を中心とした派生トリオのJ.A.Mと社長の姿は拝んでいたから、まったくの初めてってわけでもないんですが。

先日リリースされたニュー・アルバム『PLANET PIMP』がメインとなるセット・リストだろうから、“Hollow”あたりからドッカーンとおっ始めるのかと踏んでいたけど、いざ蓋を開けてみれば、これまたマカロニ・ウェスタンちっくなBGMに乗って、ラーメン大好き小池さん風の丈青がのっそりとステージに表れ、流麗なピアノを奏で、それに続くようにメンバーが一人づつ登場し、自らの楽器を重ねてジャムに参加していくという、NYの路地裏かと見紛うような演出に脱帽。予想は裏切られたけど、いいね、こういうのも。

今夜もゴージャスにドレス・アップした社長のアジテーションに導かれ、ひたすら熱気を帯びて行く場内は、前半で早くも披露されたキラー・チューン“マシロケ”で最初のピークを迎える。そして、社長が余裕たっぷりのMCを聞かせた後、「Welcome to Death Jaaaaaaazzzzzzzzzzzzz!!!!!!!!!!」のシャウトに呼応するようにステージ後方から超巨大なミラーボールが降臨し、会場全体に眩いまでの光を放射する。もうここからは、有無を言わさず踊らせる怒濤のソイル劇場の幕開け。そういえば、『STUDIO VOICE』7月号にミラーボール専門の会社が紹介されていて、渋谷のWOMBとかにも設置しているような業界屈指のオーソリティーらしいんだけども、そこが僕の地元から2駅の場所なんですよね。今度会社見学行こうかしら。

 閑話休題。まあ、ソイルの何が凄いって、グラストンベリーにも出演してしまう圧倒的なセンスと演奏スキルも勿論だけど、なんといってもあの絶倫なスタミナとテンションだよね。とりわけ、音楽的要素の大部分を担うホーン・セクションの2人がヤバイ。肩で息をしながら酸素スプレーをしきりに用いつつも、楽曲のもつダイナミズムを削がぬよう、苦しい顔など一切見せずにオーディエンスを楽しませてくれる。サックスの元晴なんて見かけはデーハーだけど、間違い無くライブの度に頭の血管何本か切れてそうな超絶っぷりだし、「全身全霊のパフォーマンス」とか「音楽に命を賭ける」とは良く言ったもんだけど、本当はこういう人たちのことを言うんだろうなあ。と、思わず感動すら覚える始末。一番の謎は、エントランスに寄せられた関係者からの花の中に、ジェロの名前があったことぐらいか。

東京2DAYSの初日ながら、アンコールも2曲演ってくれたし、中盤でまさかのJ.A.Mの3人によるワンシーンもあったし、とにかく「おいしい」ライブでした。どれぐらいおいしかったかって? そうですね、違う言い方をすると、「おいしい」ということです。

映画総括2008年ゆけむり上半期篇


 







 やべー、今年はペースが遅いなー。でも、確実に去年より名作が多い気もする。とりあえず、現時点までの劇場鑑賞映画をまるっと総括してみよう。

※(まだ公開中の作品もあるので、後悔しないよう注意)

■1/31『スウィーニー・トッド〜フリート街の悪魔の理髪師〜』68点
 ジョニー・デップ×ティム・バートンという定番タッグは勿論、ジョニーの歌声が存分に味わえる小気味良いミュージカル仕立て。続々と来店する客(餌食)をバッサバッサ切り裂き、からくり椅子でドサドサ落下させていくシーンには爆笑。だけど、観賞後に印象に残るのは「アイフィ〜〜ルユージョア〜〜ナ〜♪」のみなのが残念。

■2/4『ミスター・ロンリー』75点
 ハーモニー・コリン待望のカムバック作。リアルとフェイク、偶像と虚構のひずみに垣間見える人間の儚さと愚かさ。サマンサ・モートン太り過ぎ。

■3/5『アメリカン・ギャングスター』89点
 デンゼル・ワシントン扮する稀代の麻薬王と、ラッセル・クロウ扮するKY刑事がお互いの存在を認識していながら、終盤までまったく対面しないままストーリーが続くのが素晴らしい。毛皮のコートを暖炉にぶち込むシーンが白眉。

■3/27『潜水服は蝶の夢を見る』70点
 仕事にも家族にも恵まれ、勝ち組人生爆走中だったはずの男が、突如ロックドイン・シンドローム(閉じ込め症候群)という難病を患い、唯一動かせる左目の瞬きだけで意思疎通をはかったという、信じられない実話小説の映像化。しかし、脳内はクリアなので主人公ボビーの心の声は観客にのみ聞こえる。あくまでそれは健常者そのものの思考であって、下心や悪態丸出しのその声には思わず笑みが。日本では特に顕著だが、身体障害者をテーマに扱ったドラマや映画には「どう? 可哀想でしょ」と言わんばかりの、これ見よがしな低俗涙腺弛緩系が目に余る。あまつさえ、そんな障害者を利用しているだけでしかないゴミに感動を覚える輩の多い、民度の低いジャポネーゼには易々とは作れない映画。そう思うと、『ビューティフル・ライフ』における柊二(キムタク)の、車椅子に乗る杏子(常盤貴子)に対するバリアフリーなコミュニケーションは革新的だったはず。

■4/4『マイ・ブルーベリー・ナイツ』5点
 主演のノラ・ジョーンズの大根演技には目を瞑っても、人生において一切意味を持たない薄っぺらい台詞のオンパレード。こういったお洒落ちっく映画だけをホイホイ観に行って、悦に浸るようなスイーツ女とは絶対にデートしたくない。満場一致、2008年度ワースト映画確定(あ、『スシ王子』観てねえや)。愛しのキャット・パワーの経歴も汚されてしまった。

■4/14『コントロール』82点
 ジョイ・ディヴィジョンのドキュメンタリーもやってるし、最近俄に騒がしいイアン・カーティスの短い生涯を描いたモノクロ映画。キャスト自身が演奏するライヴ・シーンの迫力や、サム・ライリーの憑依っぷりも見事でなかなかの力作に。トニー・ウィルソンも似過ぎ。アニーク美人過ぎ。サマンサ・モートンやっぱり太り過ぎ。

■4/16『ノーカントリー』92点
 アカデミー賞作品賞だそうで。なんと、エンドロールまでBGMが皆無。それがシガーの操る空気銃から発せられる咆哮の恐怖を助長させてくれる。主人公ルウェリンの嫁が『トレインスポッティング』にてユアン・マクレガーとまぐわった、あのダイアン(ケリー・マクドナルド)だと観賞後に気付いて驚愕。独特の後味の悪さが、逆に作品の評価を決定的なものにしている。

■4/21『クローバーフィールド〜HAKAISHA〜』175点
 DVDで観るぐらいなら観ない方がいい、今世紀最強の終末パニックムービー。あえて無名のキャストだけを起用したことで感情移入を容易に促し(単純にギャラも安い)、良い意味で「映画っぽくない」「リアルな」映像に対して心行くまま擬似体験が可能。ただ、カメラマンのハッドが殺害される寸前の、HAKAISHAをまじまじと撮影するシーンだけは余計だったかも。まあ、そんなことは気にならなくなるほどの大傑作です。

■4/30『アイム・ノット・ゼア』31点
 劇中に「ボブ・ディラン」という名前は一切登場しない。単にディランの6つの人間的側面を、6通りのキャストが“ディランっぽく”演じているだけ。かといってそこに真新しいトピックが見出せるわけでもなく、これまた意味のない悪ノリ映画に終止してしまっている。うーん、個人的にヒース・レジャー(故人)とシャルロット・ゲンズブールの組み合わせは良いと思ったので、この2人だけにクローズ・アップした映画を撮ってもらいたかった。ますますヒースの夭逝が悔やまれます。R.I.P.

■5/14『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』99点
 アカデミー主演男優賞を獲得したダニエル・デイ=ルイスは勿論、個性豊かなキャストと、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる不協和音だらけの音楽や、静と動を巧みに使い分けたカメラワークに、圧倒的なカタルシス。賞賛すべき点を書き出せば枚挙に暇がありまへん。3時間近くの上映時間ですが、観て絶対にソンはしない。ので、明日にでも早速劇場へどうぞ。「アイ・ドリンク・ユア・ミルクシェイク!!」

■6/2『パラノイド・パーク』45点
 すべりこみセーフ。相変わらずガス・ヴァン・サント監督は「死」を目一杯膨らませて描くねー。まるでボーズ・オブ・カナダの音楽を聴いている時のような、陶酔感の漂う映像美にかけては他の追随を許さない出色の出来。でもなー、ラストも「あれっ?」って感じだし、鑑賞したことによって人生観が大きく変化するような作品ではないです。DVDで持っておきたい映画。あと、『エレファント』の時といい、『ラスト・デイズ』の時といい、ガス監督が新作発表するたんびにしゃしゃり出てくる某ファッション・ブランドがウザ過ぎます。あんなにラインナップいらないって。

 と、まあ、これだけしか鑑賞していないのにデカイ口を叩いてしまいましたが、何年かに1本あるかないかの傑作がすでに3本もあったので、今年は当たり年のような気もしますね。また年末にでも執筆しまーす。

いやあ〜映画って、本っ当にいいもんですね〜。

アンタ達もつべこべ言わずに観なさいよ!!

それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ.....。

NUMBER (N)INEだけどNo.1

 年内には『ジ・インフォメーション』に次ぐニュー・アルバムをリリース予定らしい、永遠の赤丸ほっぺのベック・ハンセン様ですが、昨年の『Mac Fan』のカヴァーになるより前あたりから、「ぜってーナンバー・ナインにハマってんな」と推察していたら、どうやらホントにご心酔らしい。しかも、滅茶苦茶似合ってるもんだからたまらん。というわけで、僕の中で約8、9年振りのN(N)ブームが到来(すんません、単純で)!   ここ数年の、あまりにも分かりやすすぎて節操のない(カート・コバーン期の後にアクセル・ローズは無いわ)コレクションのテーマにうんざりし、(ジョニー・キャッシュ期とジョージ・ハリスン期の違いは、ファン以外には分からんだろ)すっかりブランドおよび恵比寿のショップとは疎遠になり、「N(N)がキッカケで『snoozer』を本格的に購読し始めた」というミーハーな動機が事実だったゆえ、他人に「N(N)好きなんだよね?」と訊かれるたびに、「別に...」と、エリカ様のごとく不遜な態度で返答し、居心地の悪さを覚えていた僕だが、今なら言える。今だから言える。

「もうナンバー・ナインしか愛せない!!」

と、なぜかクラクソンズ表紙号の『snoozer』のコピーみたいになってしまうのは仕様として、自分がかつて己のすべて(アルバイトの給料から思想まで)を捧げ、そ
の世界観とフィロソフィーを全身で享受したといっても過言ではない、宮下貴裕ことナンバー・ナインとの思い出を、無駄にシリアスでドラマティックに語ってみたい。

2000-2001A/W -REDISUN-  

 僕は、東京のショップがまだ原宿にあったころは、そのブランドの名前すら意識していなかったのだが、ナンバー・ナインの記念すべき初の東京コレクション(モデルとして伊賀大介が歩いていたりした)となったこの時期に一世を風靡した、あの幾何学的なクロス柄を初めて目にした時、あまりの美しさに息を呑んだ。当時からモノトーンを基調にした作品が目立ち、「モデルが正面を見ず、俯いたままランウェイを歩く」という強烈な違和感は、当時のファッション・シーンだけでなく、僕の心までも射抜いた。のちにジャム・ホーム・メイド製だと知ったボール型ウォレットチェーンの価格が12万円と聞いて泣く泣く諦め、竹下通りで購入した粗悪品で周囲を誤摩化したが、自分を誤摩化すことはできなか
った。世間でのN(N)の認知度と評価はじわじわと高まり、件のクロス柄をあしらったスニーカーは、都内の委託ショップ(まだヤフオクが市民権を得てなかった)で定価の5倍以上のプライスが付けられることとなった。伝説の始まりである。 ちなみに、ケータイの待ち受けは2年以上コレだった。 


2001S/S -TIME MIGRATION-  

 誰もが「あ、あのTシャツN(N)だ!」と気付くようになるほど、独特の世界とブランド・ネームが世に広まる決定打となった、もはや語り草のコレクション。恵比寿に店舗を移したのはこのシーズン前後で、コンクリートと鉄とガラスだけの無機質な内装には死ぬほど惚れた。髑髏が有名な、ご存知、散弾銃で打ち抜いたかのような穴空き(アナーキー)Tシャツは、モノトーン×神話的・音楽的なモチーフのプリントも然ることながら、生産ラインでウォッシュを施し、古着のようにくすんだ色合いと風合いを表現した革新さも相俟って、全国的に大ブレイク。定価1万円のTシャツが入荷と同時に即完売し、キムタクが着用した「MILK&COOKIES」プリントのTシャツに至っては、委託ショップではジャケットも買えそうな5万円まで値がつり上がった。また、中国系の雇われバイヤーが入荷日に長蛇の列をつくり、強引に買い占めていってしまうという事態が社会問題にまで発展。これには宮下氏だけでなく、高橋盾など多くのデザイナーが頭を抱えることとなった。地方のセレクト・ショップには若干の在庫が残るものの、「N(N)だけ通販一切禁止」という暗黙のルールがあったために、東京のファンの飢餓感はもはや沸点に達していた。噂では、この頃の恵比寿店の1日の平均売り上げ額は、500万円を超えていたらしい....。

 多くの芸能人やミュージシャンがブラウン管の中で、これ見よがしにN(N)のTシャツを着用するようになったのは、この時期からだったと言っても過言ではないだろう(基本的にリースは厳選されるので、みな私物なのだが)。ワンギャルが着てたのはまだしも、コロッケがクロム・ハーツのアクセとエイプの迷彩ジャケットに合わせていたのは勘弁ならなかった。しかし、アンダーカバーやコズミック・ワンダーや(W)TAPS)などと絡め、巧みなコーディネートを見せてくれていたPuffyのお二人はまさに当時の僕のファッション・リーダーで、毎週水曜日に放送されていた『パパパパパフィー』は必ずビデオに録画していた(亜美ちゃんと付き合い出したGL●YのT●RUの私服が、明らかに裏原系にシフトしたのには笑った)。残念ながら、僕がオフィシャルで購入に成功した商品は、ステッカーやトートバッグなどの情けない小物ばかりで、ファッキン委託屋の設定した法外なプライスに抗う術は無かったのであった。この背徳の社会現象の勢いは留まることを知らず、宮下氏の心と体を無惨なまでに疲弊させたようだが、皮肉にもそれは、2ndアルバム『ネヴァーマインド』の世界的なブレイクによって、不本意ながら稀代のロック・スターとして祭り上げられ、神格化されてしまったカート・コバーンの姿と重なるのだ。


つづく(疲れたので)